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理由で解く 理学療法士

QP54P016 理学療法治療学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問16
問題
NICUにおける低出生体重児の腹臥位での姿勢を図に示す。この児に対するポジショニングで適切な肢位はどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 頸部伸展位
2 体幹伸展位
3 肩関節内旋位
4 肩甲骨挙上位
5 股関節内転位
解答
正解3(肩関節内旋位)、5(股関節内転位)
解説

低出生体重児は伸展・外転・外旋へ流れやすい。ポジショニングはその逆(屈曲・内転・内旋・正中への包み込み=nesting)で子宮内屈曲姿勢に近づけるのが原則。だから正答は「肩関節内旋位」「股関節内転位」。

低出生体重児は在胎週数に応じて筋緊張が低く、胎内で屈曲姿勢をとる期間も短いため、放置すると四肢が伸展・外転・外旋方向へ流れる不良姿勢・不良運動パターンをとりやすい。NICUのポジショニングは、この傾きを是正して子宮内の生理的屈曲姿勢(頸部・体幹の軽度屈曲、肩甲帯下制・前方突出、骨盤後傾、上下肢屈曲、手足を正中へ引き寄せる包み込み/nesting)に近づけることを目的とする。この原則に照らすと、選択肢のうち適切なのは、伸展・外転・外旋への流れを正中側へ戻す方向にあたる「肩関節内旋位(3)」と「股関節内転位(5)」の2つである。残りの頸部伸展位(1)・体幹伸展位(2)・肩甲骨挙上位(4)はいずれも望ましい肢位(軽度屈曲位・肩甲帯下制)と逆方向で不適切。図はうつ伏せで上肢を屈曲し手を正中・頭部付近へ、下肢も屈曲して体幹側へ引き寄せた包み込み姿勢を示しており、この屈曲・正中位・containmentの全体像は原則と整合する。ただし本問の正答は主として上記ポジショニングの原則に依拠するものであり、肩関節内旋・股関節内転という個々の細かな関節角度そのものを図から確定する必要はない。

✗ 1. 誤り
頸部伸展位
低出生体重児は筋緊張が低く伸展・外転優位の不良姿勢に流れやすい。望ましいのは子宮内屈曲姿勢に近い頸部軽度屈曲位であり、伸展位は不適切
✗ 2. 誤り
体幹伸展位
体幹も軽度屈曲位(正中位・包み込み=containment/nesting)が原則。伸展位は生理的屈曲姿勢に反し不適切
✓ 3. 正しい
肩関節内旋位
伸展・外転・外旋へ開こうとする四肢を正中へ引き戻し、手を顔・正中付近に保つ屈曲位を維持するため、肩関節は内旋方向へ整えるのが適切
✗ 4. 誤り
肩甲骨挙上位
望ましい肩甲帯肢位は下制・前方突出。挙上位は不適切
✓ 5. 正しい
股関節内転位
下肢が外転(フロッグレッグ肢位)へ開かないよう体幹側へ引き寄せる屈曲・内転位が適切。外転を防ぐ方向であり適切
ポイント
  • 低出生体重児=生理的屈曲・正中位を再現
  • 伸展パターンを避ける
  • 肩内旋・股内転(屈曲)で包み込む
比較表
適切/不適切なポジショニング
肢位評価
肩関節内旋・股関節内転適切(屈曲・正中位)
頸部伸展・体幹伸展不適切(伸展助長)
肩甲骨挙上不適切(後退・挙上助長)
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