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理由で解く 理学療法士

QP53P047 理学療法評価学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午後 問47
問題
Down症児の初期の腹臥位での移動の特徴はどれか。
選択肢
1 股関節の外転
2 伸展側下肢の尖足傾向
3 上肢の過剰な引き込み
4 緊張性迷路反射の残存
5 下肢運動の交互性の欠如
解答
正解1(股関節の外転)
解説

Down症児は筋緊張低下(低緊張)と関節弛緩性が特徴。腹臥位での初期移動では股関節が外転・外旋した「がに股(カエル肢位)」の広い支持基底面で這う。

Down症候群では全身の筋緊張低下(hypotonia)と関節の過度な弛緩性が中核的な特徴で、これが運動発達の遅れと運動パターンの質的特徴を生む。腹臥位での初期の移動(ずり這い〜四つ這いの前段階)では、体幹の抗重力保持が弱いため支持基底面を広げて安定を得ようとし、股関節を外転・外旋した肢位(いわゆるカエル様肢位)をとる。尖足傾向・上肢の過剰な引き込み・緊張性迷路反射の残存はいずれも痙直型脳性麻痺など筋緊張亢進を示す病態の特徴で、低緊張が主体のDown症児の像とは対照的である。下肢の交互性の欠如は特徴的所見とは言えず、外転肢位が最も的確にDown症児の初期移動を表す。

✓ 1. 正しい
股関節の外転
低緊張・関節弛緩により外転外旋位(カエル肢位)で支持基底面を広げる
✗ 2. 誤り
伸展側下肢の尖足傾向
尖足は筋緊張亢進(痙性)を示す所見でDown症の低緊張像に合わない
✗ 3. 誤り
上肢の過剰な引き込み
屈曲パターンの亢進は痙性の特徴で、低緊張とは逆
✗ 4. 誤り
緊張性迷路反射の残存
原始反射の亢進・残存は中枢性の緊張亢進を示唆する
✗ 5. 誤り
下肢運動の交互性の欠如
Down症児の初期移動に特徴的とはいえない
ポイント
  • Down症=筋緊張低下(低緊張)と関節弛緩性
  • 初期の腹臥位移動=股関節外転・外旋のカエル肢位で支持面拡大
  • 尖足・引き込み・原始反射残存は痙性(緊張亢進)の所見
比較表
筋緊張と運動パターンの特徴
病態運動の特徴
Down症(低緊張)股関節外転外旋(カエル肢位)・支持面を広くとる
痙直型脳性麻痺(高緊張)尖足・上肢屈曲引き込み・原始反射の残存
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