学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP53A015

理由で解く 理学療法士

QP53A015 理学療法治療学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問15
問題
19歳の男性。基礎疾患はない。自転車エルゴメーターを用いた運動強度を次第に上昇させて運動終点まで運動負荷試験を行ったときの酸素摂取量の測定結果を図に示す。全身持久力改善のために必要な運動負荷量(ワット)として正しいのはどれか。
図
選択肢
1 50
2 100
3 200
4 300
5 350
解答
正解3(200)
解説

全身持久力改善の目標強度は最大酸素摂取量(本図のプラトー値約3,500 mL/分)の約50〜70%であり、その約60%=約2,100 mL/分に対応する運動負荷は200ワットである。

この図は自転車エルゴメーターで負荷(ワット)を漸増させたときの酸素摂取量(mL/分)の変化を示す。負荷とともに酸素摂取量はほぼ直線的に増加し、350ワット付近で約3,520 mL/分に達したのち、それ以上負荷を上げても増えずに頭打ち(プラトー)となる。この最高値約3,500 mL/分がこの被験者の最大酸素摂取量(VO2max)である。全身持久力(有酸素能力)の改善に必要な運動強度は一般に最大酸素摂取量の約50〜70%とされ、これは約1,750〜2,450 mL/分に相当する。グラフでこの酸素摂取量が得られる運動負荷を読み取ると、約2,000〜2,100 mL/分(VO2maxの約60%)となる200ワット付近が該当する。50ワット・100ワットでは強度が不足し、300ワット・350ワットでは最大に近く高すぎる。したがって全身持久力改善に必要な運動負荷量として最も適切なのは200ワットである。

✗ 1. 誤り
50
グラフでは酸素摂取量約950 mL/分(最大酸素摂取量約3,500 mL/分の約27%)にとどまり、持久力改善に必要な強度として低すぎる
✗ 2. 誤り
100
酸素摂取量約1,350 mL/分(VO2maxの約39%)で、目標とする50〜70%にやや届かない
✓ 3. 正しい
200
酸素摂取量約2,000〜2,100 mL/分で、プラトー値(VO2max)約3,500 mL/分の約60%に相当し、全身持久力改善に適した運動強度である
✗ 4. 誤り
300
酸素摂取量約3,100 mL/分(VO2maxの約90%)と最大に近く、持久力トレーニングの目標強度としては高すぎる
✗ 5. 誤り
350
酸素摂取量約3,500 mL/分でグラフが頭打ちになる点=ほぼ最大酸素摂取量に達しており、強度が高すぎる
ポイント
  • 持久力改善はAT(嫌気性代謝閾値)強度で処方
  • ATを超えると乳酸急増で疲労早期化
  • 本図のAT相当負荷は約200ワット
  • 最大負荷は持続不能、低負荷は刺激不足
比較表
運動強度指標の目安
指標意味・用途
AT(嫌気性代謝閾値)有酸素運動処方の目安強度
VO2max全身持久力(有酸素能力)の上限
最大負荷(運動終点)疲労困憊で持続不可
カルボーネン法予備心拍数から目標心拍を算出
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