学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP53A009

理由で解く 理学療法士

QP53A009 理学療法評価学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問9
問題
42歳の女性。感冒症状が出現して1週後から対称性に両手のしびれを自覚し、脱力が急速に近位部へと広がったため神経内科を受診した。上肢遠位部優位の脱力と四肢の深部腱反射消失を認め、Guillain-Barré症候群と診断された。検査所見として正しいのはどれか。
選択肢
1 髄液検査で細胞数が増加する。
2 頸髄MRI検査で髄内信号異常を認める。
3 末梢神経伝導検査で伝導速度が低下する。
4 末梢神経の連続刺激でM波の振幅が漸増する。
5 末梢神経刺激で誘発されるF波の潜時が短縮する。
解答
正解3(末梢神経伝導検査で伝導速度が低下する。)
解説

GBS(脱髄型)では末梢神経の脱髄により神経伝導速度が低下する。髄液は蛋白細胞解離、F波は潜時延長・消失を示す。

Guillain-Barré症候群は先行感染後に自己免疫機序で末梢神経の髄鞘が障害される急性炎症性脱髄性多発根神経炎で、対称性の弛緩性麻痺と腱反射消失を呈する。脱髄により跳躍伝導が障害されるため、神経伝導検査では伝導速度の低下・伝導ブロックがみられる(選択肢3が正しい)。髄液は蛋白増加のみで細胞数は増えない(蛋白細胞解離)。近位(神経根)の脱髄を反映してF波は潜時延長や消失を示し、短縮はしない。M波振幅の漸増(waxing)は神経筋接合部前性のLambert-Eaton筋無力症候群の所見でGBSでは認めない。

✗ 1. 誤り
髄液検査で細胞数が増加する。
GBSは蛋白細胞解離(蛋白増加・細胞数正常)であり増加しない
✗ 2. 誤り
頸髄MRI検査で髄内信号異常を認める。
末梢神経(神経根・末梢神経)障害であり脊髄実質の信号異常は本態でない
✓ 3. 正しい
末梢神経伝導検査で伝導速度が低下する。
脱髄による跳躍伝導障害で速度低下・伝導ブロックを認める
✗ 4. 誤り
末梢神経の連続刺激でM波の振幅が漸増する。
漸増はLambert-Eaton症候群の所見でGBSでは生じない
✗ 5. 誤り
末梢神経刺激で誘発されるF波の潜時が短縮する。
近位脱髄でF波は潜時延長・消失し短縮しない
ポイント
  • GBS=末梢神経脱髄→伝導速度低下・伝導ブロック
  • 髄液は蛋白細胞解離(蛋白↑・細胞数正常)
  • F波は潜時延長/消失、M波漸増はLEMS
比較表
GBSの主要検査所見
検査所見
神経伝導検査伝導速度低下・伝導ブロック
髄液蛋白細胞解離
F波潜時延長・消失
腱反射減弱〜消失
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手