学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP53A010

理由で解く 理学療法士

QP53A010 理学療法評価学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問10
問題
4歳の男児。顕在性二分脊椎症による脊髄髄膜瘤の術後。立位の様子を図に示す。短い距離であれば独歩可能である。予測される機能残存レベルの上限で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 L2
2 L3
3 L4
4 L5
5 S1
解答
正解3(L4)
解説

両側とも膝下までの短下肢装具(AFO)だけで短距離独歩できる=膝伸展を保つ大腿四頭筋が機能しているため、予測される機能残存レベルの上限はL4。

図は両下肢に足部から膝のすぐ下まで届く左右対称の短下肢装具(AFO)を装着した立位像で、膝関節は装具に覆われておらず、長下肢装具(KAFO)や骨盤帯付き装具、杖・歩行器は描かれていない。二分脊椎(脊髄髄膜瘤)では機能残存レベルにより必要な装具と歩行能力が段階的に変化する。膝下までの短下肢装具のみで膝折れせず短距離を独歩できるということは、膝を伸展位に保持する大腿四頭筋(L3〜L4支配)が機能していることを意味する。大腿四頭筋が非機能のL2や、膝の伸展保持が不十分で長下肢装具を要することが多いL3では、この図のようにAFO単独では独歩できない。一方L5・S1ではさらに軽装具でより安定した歩行が可能で、両側AFOを常用する図の状態はそれより高位(近位)の残存を示す。したがって、AFOで短距離独歩が成立する予測機能残存レベルの上限はL4であり、公式正答[3](L4)と図の所見は整合する。

✗ 1. 誤り
L2
大腿四頭筋が非機能で膝伸展を保持できず、KAFOや車椅子を要するレベル。図の膝下までの短下肢装具単独で独歩している所見と一致しない
✗ 2. 誤り
L3
大腿四頭筋がわずかに働き始めるが膝の伸展保持が不十分で、歩行には膝を固定する長下肢装具(KAFO)が必要になることが多い。図は膝を覆わない短下肢装具であり合わない
✓ 3. 正しい
L4
大腿四頭筋・前脛骨筋が機能して膝伸展保持と足関節背屈が可能となり、足関節を補助する短下肢装具(AFO)で短距離独歩が可能になる。図の両側・膝下までのAFO装着像と合致する予測残存レベルの上限
✗ 4. 誤り
L5
長趾伸筋・中殿筋なども機能し、より軽い装具でより安定した歩行が可能。図が示す装具依存の状態はこれより高位(近位)の残存レベルを示唆する
✗ 5. 誤り
S1
下腿三頭筋も機能しほぼ正常歩行で装具をほとんど要さない。両側短下肢装具を常用する図の所見と一致しない
ポイント
  • 独歩可否の分岐=大腿四頭筋(L2〜L4)の機能
  • L4残存=短下肢装具などで短距離独歩可能
  • Sharrard分類で運動レベルと歩行能力を対応
比較表
二分脊椎の運動レベルと歩行(概略)
レベル主な残存筋歩行
L2以上腸腰筋車椅子/長下肢装具・歩行器
L3大腿四頭筋(不十分)屋内歩行に制限
L4大腿四頭筋・前脛骨筋短下肢装具で短距離独歩可
L5中殿筋・長趾伸筋実用歩行良好
S1下腿三頭筋ほぼ正常歩行
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手