学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP52A012

理由で解く 理学療法士

QP52A012 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問12
問題
嚥下障害がある患者の胸部エックス線写真を図に示す。予想される理学所見はどれか。
図
選択肢
1 胸痛
2 乾性咳嗽
3 頸静脈怒張
4 右胸部打診で鼓音
5 右胸部聴診で水疱音
解答
正解5(右胸部聴診で水疱音)
解説

嚥下障害→右下葉の誤嚥性肺炎→右下肺野の浸潤影に一致して右胸部で水疱音を聴取(打診は含気低下で濁音)。

嚥下障害のある患者では誤嚥が起こりやすく、右主気管支が左より太く走行が垂直に近いため、誤嚥物は右下葉に落ちやすい。本胸部X線写真では右下肺野に淡い浸潤影・濃度上昇を認め、これは誤嚥性肺炎の典型的な分布と整合する。肺胞や気道に分泌物・滲出液が貯留すると、聴診で水疱音(coarse crackles、粗い断続性ラ音)が聴取される。含気が低下しているため打診はむしろ濁音となり(鼓音ではない)、胸痛・乾性咳嗽・頸静脈怒張はこの病態を直接説明しない。したがって予想される理学所見は右胸部聴診での水疱音である。

✗ 1. 誤り
胸痛
胸膜炎や気胸で生じうるが、本X線が示す右下肺野の浸潤影(誤嚥性肺炎像)とは直接結びつかない
✗ 2. 誤り
乾性咳嗽
間質性病変で目立つ。分泌物を伴う誤嚥性肺炎では湿性咳嗽が中心で乾性咳嗽は合わない
✗ 3. 誤り
頸静脈怒張
右心不全・心タンポナーデの所見。本X線に著明な心拡大やうっ血像は主体でなく該当しない
✗ 4. 誤り
右胸部打診で鼓音
鼓音は含気過剰(気胸など)で生じる。右下肺野は浸潤影で含気が低下しており、打診では濁音となる
✓ 5. 正しい
右胸部聴診で水疱音
右下肺野の浸潤影=誤嚥性肺炎。肺胞内の分泌物により右胸部で水疱音(粗い断続性ラ音)を聴取する
ポイント
  • 嚥下障害→誤嚥性肺炎
  • 右下葉に好発(右主気管支は太く垂直)
  • 肺炎は湿性ラ音(水疱音)と打診濁音
比較表
胸部の打診・聴診所見の鑑別
病態打診聴診
肺炎(浸潤)濁音水疱音(湿性ラ音)
気胸鼓音呼吸音減弱・消失
胸水濁音呼吸音減弱
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