学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP52A013

理由で解く 理学療法士

QP52A013 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問13
問題
56歳の男性。閉塞性動脈硬化症。半年前から左下腿から足部にかけて冷感と痛みが発現し、歩行距離も低下している。検査法と結果の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 立位体前屈 ― 痛みの軽減
2 足背動脈の触診 ― リズムの不整
3 足関節上腕血圧比 ― 1.2以上
4 両下肢の下垂試験 ― 感覚異常の出現
5 トレッドミル歩行 ― 間欠性跛行の出現
解答
正解5(トレッドミル歩行 ― 間欠性跛行の出現)
解説

ASOは下肢動脈の狭窄・閉塞による慢性虚血で、運動負荷(トレッドミル歩行)により下肢筋の虚血が生じ間欠性跛行が出現する。

閉塞性動脈硬化症は下肢動脈の粥状硬化による狭窄・閉塞で、冷感・しびれ・間欠性跛行を呈する。歩行で筋の酸素需要が高まると虚血が顕在化し、下肢痛のため休止を要する間欠性跛行が生じるため、トレッドミル歩行で間欠性跛行が誘発されるという組合せが正しい。ABI(足関節上腕血圧比)は下肢動脈の狭窄で低下し0.9以下が異常、1.2以上ではなく低値を示す。下垂させると重力で血流が保たれ疼痛は軽減、挙上で悪化するのが特徴である。

✗ 1. 誤り
立位体前屈 ― 痛みの軽減
これは腰部脊柱管狭窄症(前屈で軽減)の所見で、ASOの跛行は姿勢で変わらない
✗ 2. 誤り
足背動脈の触診 ― リズムの不整
ASOでは拍動の減弱・消失を触れる。リズム不整は不整脈の所見
✗ 3. 誤り
足関節上腕血圧比 ― 1.2以上
ASOではABIは低下し0.9以下が異常。1.2以上は動脈石灰化などで逆に高い病態を示す
✗ 4. 誤り
両下肢の下垂試験 ― 感覚異常の出現
ASOでは下垂で血流が保たれ疼痛は軽減する。感覚異常出現は不適
✓ 5. 正しい
トレッドミル歩行 ― 間欠性跛行の出現
運動負荷で下肢虚血が顕在化し間欠性跛行が誘発される
ポイント
  • ASO=下肢動脈の慢性虚血
  • 運動負荷で間欠性跛行
  • ABI≦0.9が異常(低下)
  • 下垂で軽減・挙上で悪化
比較表
血管性跛行(ASO)と神経性跛行(脊柱管狭窄症)
項目ASO腰部脊柱管狭窄症
姿勢の影響なし前屈で軽減
足背動脈拍動減弱・消失正常
ABI低下(≦0.9)正常
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