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理由で解く 理学療法士

QP52A007 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問7
問題
30歳の男性。スキーで転倒して受傷した。エックス線写真を図に示す。肩脱臼整復後に肩関節内転・内旋位で固定されたが、上腕の外側上部に感覚鈍麻を訴えた。合併症の神経麻痺はどれか。
図
選択肢
1 腋窩神経
2 肩甲上神経
3 肩甲下神経
4 尺骨神経
5 正中神経
解答
正解1(腋窩神経)
解説

肩関節脱臼の合併症として最も多いのは腋窩神経麻痺で、上腕外側上部(三角筋部)の感覚鈍麻が特徴的なサインである。

エックス線写真は上腕骨頭が関節窩の下内側へ転位した肩関節(肩甲上腕関節)脱臼を示す。肩関節脱臼で最も合併しやすい神経障害は腋窩神経麻痺である。腋窩神経は上腕骨外科頸を後方から巻くように走行するため、脱臼や整復操作で牽引・圧迫を受けやすい。同神経は三角筋・小円筋の運動を支配するとともに、上腕外側上部(三角筋を覆う『regimental badge(軍隊の記章)』領域)の皮膚感覚を支配する。本例が訴える『上腕の外側上部の感覚鈍麻』はまさにこの支配領域であり、腋窩神経麻痺を示唆する。他の選択肢の神経は上腕外側上部の皮膚感覚を支配しないため該当しない。

✓ 1. 正しい
腋窩神経
肩関節脱臼で最も損傷されやすい神経。上腕骨外科頸を巻くように走行し、三角筋を支配するとともに上腕外側上部(三角筋部・regimental badge領域)の皮膚感覚を支配する。本例の『上腕外側上部の感覚鈍麻』と一致し、X線が示す肩関節脱臼の典型的合併症である
✗ 2. 誤り
肩甲上神経
棘上筋・棘下筋の運動と肩関節包周囲の感覚に関与するが、上腕外側上部の皮膚感覚は担わない
✗ 3. 誤り
肩甲下神経
肩甲下筋・大円筋を支配する運動枝で、皮膚感覚支配をもたない
✗ 4. 誤り
尺骨神経
前腕内側から手の尺側の感覚・運動を支配し、上腕外側上部の感覚とは無関係
✗ 5. 誤り
正中神経
前腕から手掌橈側の感覚・運動を支配し、上腕外側上部の感覚とは無関係
ポイント
  • 肩前方脱臼→腋窩神経損傷が最多
  • 腋窩神経=三角筋支配+上腕外側上部の感覚
  • 感覚鈍麻はregimental badge領域
比較表
肩周囲の神経と支配
神経主な支配(運動/感覚)
腋窩神経三角筋・小円筋/上腕外側上部の皮膚
肩甲上神経棘上筋・棘下筋/皮膚感覚ほぼなし
肩甲下神経肩甲下筋(内旋)
尺骨神経手内在筋/前腕内側・小指側
正中神経前腕屈筋群・母指球/手掌橈側
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