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理由で解く 看護師国試

Q115P115 精神看護学

出典:第115回看護師国家試験(2026)午後 問115
問題
Aさん(27歳、男性、会社員)は1人で暮らしている。最近、事務部門から営業部門に異動になった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2 か月後、精神科クリニックを受診し、パニック症〈パニック障害〉と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と抗うつ薬が処方された。また、職場の協力を得て、苦手な仕事のサポートをしてもらうことになった。受診から2日、Aさんから「また発作が起きるのではないかと考えてしまい、家から出られません」とクリニックに電話があった。
Aさんの状況に対するクリニックの看護師のアセスメントで適切なのはどれか。
選択肢
1 予期不安がある。
2 うつ症状が悪化している。
3 睡眠薬の持ち越し効果がある。
4 仕事に対するストレスが増している。
解答
正解1(予期不安がある。)
解説

「また発作が起きるのではないか」という発作への恐れが先立って外出できない状態は、パニック障害に特徴的な予期不安である。

パニック障害では、発作そのものに加えて「また発作が起きるのではないか」と恐れる予期不安が生じ、発作が起きそうな場所や逃げられない状況を避ける広場恐怖へと進展しやすい。Aさんの「また発作が起きるのではないかと考えてしまい、家から出られません」という訴えは、予期不安そのものの表現であり、回避行動(外出できない)が始まっていることを示す。事例には抑うつ症状の悪化、朝の眠気(持ち越し効果)、仕事上の新たなストレス増大を示す情報はなく、職場のサポート体制もすでに調整されているため、他の選択肢は根拠を欠く。

✓ 1. 正しい
予期不安がある。
「また発作が起きるのでは」という発作への恐れで外出を回避しており、予期不安の典型的な訴えである
✗ 2. 誤り
うつ症状が悪化している。
抑うつ気分・興味の喪失などうつ症状の悪化を示す情報は事例にない。訴えの中心は発作への恐怖である
✗ 3. 誤り
睡眠薬の持ち越し効果がある。
処方は短時間型睡眠薬であり、日中の眠気やふらつきなど持ち越し効果を示す訴えはない
✗ 4. 誤り
仕事に対するストレスが増している。
職場の協力によるサポート体制が既に整えられており、電話の訴えは仕事ではなく発作への不安である
ポイント
  • 予期不安=「また発作が起きるのでは」という発作への恐れ
  • 予期不安→回避行動→広場恐怖への進展がパニック障害の典型経過
  • 持ち越し効果は睡眠薬の作用が翌朝以降に残ること(短時間型では起こりにくい)
比較表
パニック障害の主要概念
用語内容
パニック発作突然の動悸・息苦しさ・死の恐怖などが数分でピークに達する
予期不安「また発作が起きるのでは」と発作を恐れる不安
広場恐怖発作時に逃げられない・助けが得られない場所や状況の回避
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