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理由で解く 看護師国試

Q115P049 成人看護学

出典:第115回看護師国家試験(2026)午後 問49
問題
肝動脈塞栓術〈TAE〉の適応となる疾患はどれか。
選択肢
1 肝囊胞
2 脂肪肝
3 肝細胞癌
4 急性A型肝炎
解答
正解3(肝細胞癌)
解説

肝細胞癌は栄養血管がほぼ肝動脈のみであるのに対し、正常肝は門脈からも血流を受けるため、肝動脈を塞栓すると腫瘍を選択的に壊死させられる。

肝動脈塞栓術〈TAE〉(抗癌薬を併用する場合は肝動脈化学塞栓術〈TACE〉)は、カテーテルで腫瘍の栄養血管である肝動脈を塞栓する治療である。正常な肝組織は血流の約7割を門脈から受けるが、肝細胞癌は血流のほとんどを肝動脈に依存している。この血流支配の違いを利用して肝動脈を塞栓すると、正常肝へのダメージを抑えながら腫瘍を選択的に阻血・壊死させることができる。手術やラジオ波焼灼療法の適応とならない多発例などで広く行われる。囊胞・脂肪肝・急性肝炎は腫瘍性病変ではなく、血管塞栓の対象にならない。

✗ 1. 誤り
肝囊胞
液体貯留性の良性病変。多くは無症状で経過観察。大きく症状がある場合も穿刺吸引・開窓術などが選択され、塞栓術の適応ではない
✗ 2. 誤り
脂肪肝
肝細胞への中性脂肪沈着。治療は食事・運動など生活習慣の改善が中心で、塞栓術の適応ではない
✓ 3. 正しい
肝細胞癌
栄養血管が肝動脈にほぼ限られるため、肝動脈塞栓により腫瘍を選択的に壊死させられる。TAE/TACEの代表的適応
✗ 4. 誤り
急性A型肝炎
ウイルス性の炎症性疾患で、安静・対症療法により多くは自然治癒する。塞栓術の適応ではない
ポイント
  • TAE/TACEの代表的適応は肝細胞癌(特に多発例など切除・焼灼が困難な場合)
  • 正常肝=門脈優位の血流、肝細胞癌=肝動脈依存という血流支配の差を利用
  • 術後は塞栓後症候群(発熱・腹痛・嘔気)や穿刺部出血の観察が必要
比較表
肝細胞癌の主な治療法
治療法概要・主な適応
肝切除肝機能が保たれ腫瘍が限局している場合
ラジオ波焼灼療法〈RFA〉おおむね3cm以下・3個以内の小肝癌
肝動脈(化学)塞栓術〈TAE/TACE〉多発例など切除・焼灼が困難な場合
薬物療法(分子標的薬・免疫療法)進行例・脈管侵襲や遠隔転移がある場合
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