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理由で解く 看護師国試

Q115A046 基礎看護学

出典:第115回看護師国家試験(2026)午前 問46
問題
ノーリフトケアに該当するのはどれか。
選択肢
1 車椅子の後ろから患者を抱えて座位を整える。
2 患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する。
3 スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。
4 ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす。
解答
正解3(スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。)
解説

ノーリフトケアは「人力で持ち上げない・抱え上げない・引きずらない」ケア。スライディングシートやリフトなどの福祉用具を活用する。

ノーリフトケア(ノーリフティングケア)は、オーストラリア看護連盟が提唱した腰痛予防対策で、人力のみによる持ち上げ・抱え上げ・引きずりを禁止し、スライディングシート・スライディングボード・リフトなどの福祉用具を活用して移動・移乗を行う考え方である。看護職の腰痛予防と同時に、患者にとっても皮膚の摩擦・ずれや不安定な抱え上げによる苦痛・事故を防ぐ利点がある。福祉用具(スライディングシート)を使う選択肢3のみが該当する。ボディメカニクスの活用は身体の使い方の工夫であり、人力で持ち上げる点は変わらないためノーリフトケアそのものではない。

✗ 1. 誤り
車椅子の後ろから患者を抱えて座位を整える。
人力での抱え上げであり、患者の脇を後ろから抱える方法は腋窩や皮膚の損傷リスクもある。ノーリフトケアに反する
✗ 2. 誤り
患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する。
患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する:人力での抱きかかえによる移乗そのものであり、看護者の腰痛と患者の転落リスクが大きい。ノーリフトケアに反する
✓ 3. 正しい
スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。
スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する:摩擦を減らす福祉用具を用いて持ち上げずに移動しており、ノーリフトケアに該当する
✗ 4. 誤り
ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす。
ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす:ボディメカニクスは身体の効率的な使い方であって、人力による介助であることに変わりはなく、ノーリフトケアの定義(用具を活用し人力で持ち上げない)には該当しない
ポイント
  • ノーリフトケア=人力での持ち上げ・抱え上げ・引きずりをしない。福祉用具(スライディングシート・ボード・リフト)を活用
  • 目的は看護・介護職の腰痛予防と、患者の安全・安楽(摩擦・ずれ・転落の防止)の両立
  • ボディメカニクス活用は補助的な工夫であり、ノーリフトケアの本質は用具の活用にある
比較表
移動・移乗援助の考え方の比較
概念内容
ノーリフトケア人力で持ち上げず、スライディングシート・リフト等の福祉用具を活用する
ボディメカニクス支持基底面を広くする等、身体力学を利用した効率的な身体の使い方(人力介助の工夫)
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