
この図の解説
図は血糖値の調節を、肝・脂肪組織・筋肉の三つの舞台で並べて描く。中央の肝では、食後に上がったグルコースがGLUT2を通って入り、インスリンの緑の矢印がグルコースをグリコーゲンへ変えて貯蔵する(血糖を下げる向き)。逆にグルカゴン・成長ホルモン・アドレナリンの矢印はグリコーゲンをグルコースへ戻し、コルチゾルはタンパク質から糖新生を進めて血糖を上げる。右上の脂肪組織と右下の筋肉では、GLUT4がインスリンの作用で細胞膜へ移動してグルコースの取り込みを促す。左下の囲みは、過食や運動不足でGLUT4が膜に出にくくなる「インスリン抵抗性」を示し、これがインスリン非依存性糖尿病〈NIDDM〉の原因になると説く。まず図全体から「血糖を下げるのはインスリンただ一つ、上げる側は複数ある」という非対称を読み取りたい。
学習の要点
- インスリンは膵島β細胞から分泌され、血糖値を下げる中心的なホルモン。グルコースをグリコーゲンに変えて肝臓に貯蔵し、全身の細胞でのグルコースの取り込みと利用を促す。
- 覚え方のコツ: 「下げるは一人、上げるは大勢」。下げる=インスリン、上げる=グルカゴン・アドレナリン・コルチゾル・成長ホルモンと押さえる。
- 関連知識: グルカゴンは膵島α細胞、ソマトスタチンはδ細胞から分泌。副腎皮質のコルチゾルは糖新生、副腎髄質のアドレナリンはグリコーゲン分解で血糖を上げる。
- よくある間違い: 「グルカゴンが血糖を下げる」は誤り。α細胞のグルカゴンは肝臓のグリコーゲンを分解し、血糖を上げる側のホルモンである。
- 臨床応用: 糖尿病はインスリンの分泌不足あるいは作用低下によって起こる。過食や運動不足でGLUT4が細胞膜に発現しにくくなるインスリン抵抗性は、NIDDMの原因となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
膵島の( )細胞は、グルカゴンやインスリンの分泌を抑制するソマトスタチンを産生する。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: δ(デルタ)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。