
この図の解説
この図は胆汁を4つの構成成分(胆汁酸・リン脂質・コレステロール・胆汁色素)に分け、それぞれの役割を並べた一覧です。まず左端の成分名と右側の説明を対応づけて読み、消化に働く成分と、排泄される成分を区別してください。上3つ(胆汁酸・リン脂質・コレステロール)は脂肪の消化吸収に関わるグループで、いずれも「ミセル形成」に関与する点が共通します。中心となる胆汁酸は肝細胞でコレステロールから作られ、親水基と疎水基の両方をもつため脂肪滴を乳化し、その90〜95%が小腸で再吸収されて肝臓へ戻る腸肝循環をつくります。一方、最下段の胆汁色素(ビリルビン)は消化には働かず、老廃赤血球のヘモグロビン中のヘムに由来する黄色い色素で、大部分は糞便へ排泄されます。下の吹き出し①〜③は、乳化→ミセル形成→排泄経路という胆汁の3つの働きの流れを補足しています。
学習の要点
- 胆汁の成分は「消化を助ける3成分(胆汁酸・リン脂質・コレステロール)」と「排泄される胆汁色素(ビリルビン)」に大別できる。
- 覚え方のコツ: 胆汁酸は「コレステロールから生まれ、90〜95%が戻る」→ 材料も回収率もセットで記憶。乳化するのは胆汁酸であって消化酵素ではない。
- 関連知識: ビリルビンは脾臓で壊された赤血球のヘモグロビンに由来し、肝細胞から胆汁へ排出される。脂肪の分解酵素は膵臓由来の膵リパーゼで、胆汁酸は乳化で下ごしらえをするだけ。
- よくある間違い: 「胆汁が脂肪を消化(分解)する」は誤り。胆汁に消化酵素は含まれず、乳化してリパーゼが働く面積を広げるのが役割。
- 臨床応用: 胆路が閉塞するとビリルビンが血中に増え黄疸となる。胆石はコレステロールまたはビリルビンが沈殿してできる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
胆汁酸は親水基と疎水基の両方をもち、脂肪を( )させてミセルを形成する。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 乳化
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。