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理由で解く 看護師国試

Q113A114 精神看護学

出典:第113回看護師国家試験(2024)午前 問114
問題
Aさん(22歳、男性)は、高校卒業後に就職したが、同僚との関係がうまく築けず、転職を繰り返している。「他の人と自分はどこか違う。自分の将来が不安だ」と感じたAさんは精神科クリニックを受診し、自閉症スペクトラム障害と診断された。Aさんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないときがあり、対人関係を築くことが苦手で、学校で孤立していた。また、偏食が強く、るいそうがみられたために、同級生から容姿のことでいじめられたことがあった。中学校や高校では忘れ物が多く、集団生活になじめなかった。
就労移行支援を利用し、Aさんは仕事を始めたが、苦手な仕事内容が多く、失敗が続いているため同僚から注意を受け続けている。外来看護師は、Aさんから「毎日が憂うつでつらい。ストレスが溜まるのでどうしたらよいか」と相談を受けた。Aさんへの対応で適切なのはどれか。
選択肢
1 仕事に慣れるまで待つように説明する。
2 憂うつな気分について詳しく話してもらう。
3 職場の同僚とうまく付き合う方法を考えてもらう。
4 外来看護師が行っているストレス発散方法を指導する。
解答
正解2(憂うつな気分について詳しく話してもらう。)
解説

「毎日が憂うつでつらい」という訴えには、まず傾聴して抑うつ状態の程度や背景をアセスメントすることが最優先。助言・指導はアセスメントの後である。

Aさんは失敗と叱責が続く状況で「毎日が憂うつでつらい」と訴えており、ASDに併存しやすい抑うつ状態(二次障害)への進展が懸念される。看護過程の原則として、対応(介入)の前にまず本人の話を詳しく聴き、憂うつな気分の程度・持続・睡眠や食欲への影響・希死念慮の有無などをアセスメントする必要がある。傾聴自体がつらさの表出を促す支持的な関わりにもなる。他の選択肢はいずれもアセスメントを経ない一方的な助言・指導であり、まだ適切な段階ではない。

✗ 1. 誤り
仕事に慣れるまで待つように説明する。
つらさの訴えを軽視する対応で、抑うつの悪化や離職につながるおそれがある
✓ 2. 正しい
憂うつな気分について詳しく話してもらう。
傾聴により症状の程度と背景をアセスメントでき、支持的関わりとしても適切。最初に行うべき対応
✗ 3. 誤り
職場の同僚とうまく付き合う方法を考えてもらう。
対人スキルの検討は課題解決の一案だが、まず気分状態の把握が先。ASDのAさんに自力で対人方法を考えさせるのは負担も大きい
✗ 4. 誤り
外来看護師が行っているストレス発散方法を指導する。
看護師個人の方法の押し付けであり、Aさんの状態や特性に合った個別的支援ではない
ポイント
  • 訴えへの対応は「傾聴・アセスメント→介入」の順序が原則
  • 発達障害では失敗体験の蓄積から抑うつ・不安などの二次障害を生じやすい
  • 憂うつの訴えでは希死念慮を含めた抑うつ症状の評価を忘れない
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