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理由で解く 看護師国試

Q113A113 精神看護学

出典:第113回看護師国家試験(2024)午前 問113
問題
Aさん(22歳、男性)は、高校卒業後に就職したが、同僚との関係がうまく築けず、転職を繰り返している。「他の人と自分はどこか違う。自分の将来が不安だ」と感じたAさんは精神科クリニックを受診し、自閉症スペクトラム障害と診断された。Aさんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないときがあり、対人関係を築くことが苦手で、学校で孤立していた。また、偏食が強く、るいそうがみられたために、同級生から容姿のことでいじめられたことがあった。中学校や高校では忘れ物が多く、集団生活になじめなかった。
クリニックに通院し半年が経過した。現在、Aさんは無職である。Aさんは仕事が長続きしないことで将来への不安が強く、自身の適性にあった職場を探したいと希望している。外来看護師は主治医とも相談し、Aさんに就労移行支援のサービスについて伝えることにした。Aさんへの説明で適切なのはどれか。
選択肢
1 「仕事が見つかるまで期限なく通所できます」
2 「同じ障害を持つ仲間との共同生活が原則です」
3 「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」
4 「生活リズムを整え、集団に慣れていくことが目的です」
解答
正解3(「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」)
解説

就労移行支援は、一般就労を希望する65歳未満の障害者に、就労に必要な知識・能力の向上のための訓練を原則2年間の期限内で行う障害者総合支援法の訓練等給付である。

就労移行支援は障害者総合支援法に基づく訓練等給付の一つで、一般企業への就労を希望する65歳未満の障害者を対象に、生産活動や職場体験を通じた訓練、求職活動の支援、適性に応じた職場の開拓、就職後の定着支援を行う。利用期間は原則2年(市町村審査で最大1年延長可)と期限があり、通所が基本で共同生活は要件ではない。「適性にあった職場を探し、一般就労したい」というAさんの希望に合致する説明は選択肢3である。

✗ 1. 誤り
「仕事が見つかるまで期限なく通所できます」
利用期間は原則2年以内(必要と認められれば最大1年延長)であり、無期限ではない
✗ 2. 誤り
「同じ障害を持つ仲間との共同生活が原則です」
共同生活を行うのは共同生活援助〈グループホーム〉。就労移行支援は事業所への通所が基本である
✓ 3. 正しい
「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」
「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」:就労移行支援の目的そのもの。訓練・職場探し・定着支援まで行う
✗ 4. 誤り
「生活リズムを整え、集団に慣れていくことが目的です」
「生活リズムを整え、集団に慣れていくことが目的です」:生活リズムの安定や対人交流を主目的とするのは精神科デイケアや自立訓練(生活訓練)であり、就労移行支援の説明としては不適切
ポイント
  • 就労移行支援=一般就労を目指す訓練+職場開拓+定着支援、利用は原則2年
  • 就労継続支援A型(雇用契約あり)・B型(雇用契約なし)との区別を問われやすい
  • 生活リズムづくり・居場所機能は精神科デイケアや自立訓練の役割
比較表
障害者総合支援法の就労系サービス
サービス対象・特徴期限
就労移行支援一般就労を希望する65歳未満。訓練・職場開拓・定着支援原則2年
就労継続支援A型一般就労が困難な者。雇用契約を結び最低賃金保障期限なし
就労継続支援B型雇用契約による就労が困難な者。工賃を受け取り生産活動期限なし
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