
この図の解説
図は皮膚の血管を「暑い時」と「寒い時」で左右に並べ、真皮内の血液の流れ方の違いを対比している。まず見るべきは、真皮浅層(真皮乳頭のある層)まで赤い動脈血が上がっているかどうか。暑い時(左)は矢印が浅層の血管網まで届き、体表の近くを血液が巡って熱を外へ逃がす=放熱を促す。寒い時(右)は浅層の血管網が収縮し、血液は真皮深層で静脈へと折り返すため、体表からの体熱の損失が抑えられる。上の吹き出しにあるとおり、皮膚表面の血流量は外気温の変化に応じて約20倍も増減する。皮膚を流れる血液は心拍出量の約5%にあたり、この血流の切り替えが体温調節の要となる。下段では、手足の末端に発達する動静脈吻合にも触れている。
学習の要点
- 皮膚表面の血流量は外気温に応じて約20倍増減し、暑い時は浅層まで巡って放熱、寒い時は深層で折り返して保温する。
- 覚え方のコツ: 「暑い→浅い(あつ・あさ)」で浅層まで血が来て放熱、「寒い→深い」で深層に引っ込めて保温、と浅・深で対にする。
- 関連知識: 皮膚を流れる血液は心拍出量の約5%にあたり放熱に使われる。汗腺からの発汗による気化熱とあわせて体温を下げる。
- よくある間違い: 寒い時に浅層血管が「拡張する」は誤り。寒い時は浅層の血管網が収縮し、血流は深層へ移る(逆に暑い時が拡張)。
- 臨床応用: 手足の末端では動脈が毛細血管を介さず静脈へつながる動静脈吻合が発達し、寒冷時はここに血流が流れて指先が冷たくなる一方、体幹の熱は守られる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
手や足の末端部では、動脈が毛細血管を介さず直接静脈とつながる( )が発達している。外気温が低い時にはここに血流が流れ、手足先は冷たくなるが体熱の損失が抑えられる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 動静脈吻合
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。