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理由で解く 看護師国試

Q107P098 老年看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午後 問98
問題
Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。
その後、Aさんは、コンロの火を消し忘れることや、買い物に行って自宅に戻れないことが何度もあり、在宅での生活が困難になったため、介護老人福祉施設に入所した。Aさんは自分の思い通りにならないときに、大声を出して暴れることがあった。時折落ち着かない様子で施設内を徘徊することがあったが、看護師が話しかけると、立ち止まり「散歩しています」と笑顔で話していた。ある日、Aさんがエレベーター前に1人で立っていたため、看護師がどこへ行くのか尋ねると、Aさんは「家に帰ります」と言った。このときの看護師の対応として最も適切なのはどれか。
選択肢
1 「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。
2 「トイレに行きましょう」とトイレに誘導する。
3 「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する。
4 「入所中なので家には帰れません」と説明する。
解答
正解1(「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。)
解説

帰宅願望には否定や説得をせず、本人の気持ちを受容し寄り添いながら安心できるよう関わる。

認知症の帰宅願望〈BPSD〉は、本人にとっての切実な思いであり、否定・説得・ごまかしは不安や興奮を強める。Aさんの「家に帰りたい」という気持ちをまず受け止め、「一緒に出かけましょう」と寄り添って周囲を歩くことで、気持ちを逸らしながら安心感を与え、落ち着きを取り戻す関わりが最も適切。感情に共感し安全を確保する対応が原則である。

✓ 1. 正しい
「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。
「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く:本人の思いを受容し寄り添う対応で、安心と気分転換につながり最も適切
✗ 2. 誤り
「トイレに行きましょう」とトイレに誘導する。
「トイレに行きましょう」とトイレに誘導する:帰りたい気持ちに向き合わず話をそらすごまかしで、根本の不安は解消されない
✗ 3. 誤り
「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する。
「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する:行動を制限し本人の意思を無視する対応で不適切。抑制的で興奮を招く
✗ 4. 誤り
「入所中なので家には帰れません」と説明する。
「入所中なので家には帰れません」と説明する:正論での否定は本人を傷つけ混乱・興奮を強める
ポイント
  • 帰宅願望は否定・説得・ごまかしをしない
  • 気持ちを受容し寄り添う(共感的対応)
  • 安心感を与え安全を確保する
  • 行動制限・抑制は興奮を助長する
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