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理由で解く 看護師国試

Q107P095 成人看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午後 問95
問題
Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。Aさんは頭部CTでくも膜下出血と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温36.8°C、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%であった。
Aさんは脳血管造影で右中大脳動脈に動脈瘤が確認され、脳血管内治療(コイル塞栓術)が実施された。その後、Aさんは意識清明で問題なく経過していたが、手術後6日から刺激に対する反応が鈍くなり、閉眼していることが多くなった。意識レベルはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-10。左上肢はBarré〈バレー〉徴候陽性を示した。Aさんに生じていることとして最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 けいれん発作
2 脳血管攣縮
3 せん妄
4 再出血
5 水頭症
解答
正解2(脳血管攣縮)
解説

くも膜下出血後4〜14日は脳血管攣縮の好発時期で、意識障害や片麻痺などの局所神経症状(遅発性脳虚血)が出現する。

脳血管攣縮はくも膜下出血後およそ4〜14日(発症後1〜2週)に好発し、髄液中の血液分解産物により脳主幹動脈が収縮して脳虚血を来す。術後6日という時期に一致し、意識レベル低下〈JCS II-10〉と左上肢のBarré徴候陽性(軽度片麻痺)という局所神経症状が出現していることから脳血管攣縮による遅発性脳虚血が最も考えられる。放置すると脳梗塞に至る。

✗ 1. 誤り
けいれん発作
発作性で持続的な意識低下と片麻痺の緩徐な進行を説明しにくい
✓ 2. 正しい
脳血管攣縮
発症後4〜14日に好発し、時期・意識障害・片麻痺の局所症状に合致する
✗ 3. 誤り
せん妄
意識変容はあり得るが、Barré徴候陽性の運動麻痺という局所神経症状は説明できない
✗ 4. 誤り
再出血
再出血は発症〜24時間以内が最多で、突然の激しい頭痛・急激な意識障害を来す。術後6日の緩徐な変化とは経過が異なる
✗ 5. 誤り
水頭症
くも膜下出血後の正常圧水頭症は数週間後以降に歩行障害・認知障害・尿失禁で緩徐に進行し、時期が合わない
ポイント
  • 脳血管攣縮=発症後4〜14日に好発
  • 症状:意識障害・片麻痺など局所神経症状(遅発性脳虚血)
  • 再出血は24時間以内が最多
  • 正常圧水頭症は数週間後・三徴(歩行障害・認知障害・尿失禁)
比較表
くも膜下出血後の合併症と時期
合併症好発時期特徴
再出血24時間以内突然の頭痛・急激な意識障害
脳血管攣縮4〜14日意識障害・片麻痺(脳虚血)
正常圧水頭症数週間以降歩行障害・認知障害・尿失禁
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