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理由で解く 看護師国試

Q107P080 老年看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午後 問80
問題
Aさん(66歳、女性)は、4年前に前頭側頭型認知症と診断され、介護老人福祉施設に入所している。時々、隣の席の人のおやつを食べるため、トラブルになることがある。この状況で考えられるAさんの症状はどれか。
選択肢
1 脱抑制
2 記憶障害
3 常同行動
4 自発性の低下
5 物盗られ妄想
解答
正解1(脱抑制)
解説

他者のおやつを勝手に食べてしまう行動は、前頭側頭型認知症に特徴的な脱抑制(本能・衝動を抑えられない)による。

前頭側頭型認知症では前頭葉・側頭葉の変性により、社会的規範やマナーに沿って衝動を抑える機能(抑制)が障害される。その結果、他人のものでも欲求のまま手を出す・食べてしまうといった脱抑制(我が道を行く行動、反社会的・衝動的行動)が生じる。設問の「隣の席の人のおやつを食べる」行動はまさに脱抑制の典型例である。記憶障害はAlzheimer型で目立ち、物盗られ妄想もAlzheimer型に多い。常同行動(同じ道順を歩くなど)や自発性の低下も前頭側頭型でみられるが、本事例の行動を最もよく説明するのは脱抑制である。

✓ 1. 正しい
脱抑制
衝動・欲求を抑えられず他人のおやつに手を出す行動の説明として最も適切
✗ 2. 誤り
記憶障害
食べたこと自体を忘れる等はあり得るが、他者のものを取る行動の直接説明ではなくAlzheimer型でより顕著
✗ 3. 誤り
常同行動
同じ行動を繰り返す症状で、本事例の他者への行動は説明しない
✗ 4. 誤り
自発性の低下
無為・意欲低下を指し、能動的に食べる行動とは相反する
✗ 5. 誤り
物盗られ妄想
「盗まれた」と訴える被害的な妄想で、Alzheimer型に多く本事例とは異なる
ポイント
  • 前頭側頭型認知症=脱抑制・常同行動・人格変化が特徴
  • 脱抑制:社会的抑制が外れ衝動的・反社会的行動をとる
  • 物盗られ妄想・記憶障害はAlzheimer型で目立つ
比較表
認知症のタイプ別の特徴的症状
タイプ特徴的な症状
前頭側頭型脱抑制・常同行動・人格変化・自発性低下
Alzheimer型近時記憶障害・物盗られ妄想・見当識障害
Lewy小体型幻視・パーキンソン症状・認知の変動
血管性まだら認知症・感情失禁・運動麻痺
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