
この図の解説
図は体循環の静脈の本幹である上大静脈と下大静脈を1枚にまとめた模式図である。上半分を見ると、内頸静脈と外頸静脈、鎖骨下静脈が頭頸部・上肢から集まり、このうち内頸静脈と鎖骨下静脈がY字型に合流して左右の腕頭静脈をつくる。動脈弓の腕頭動脈は右にしかないが、腕頭静脈は左右にある点がこの図の要である。左右の腕頭静脈と、脊柱の右側を上る奇静脈とが合して上大静脈となり、右心房へ入る。下半分では、第5腰椎の前で左右の総腸骨静脈が合して下大静脈が始まり、腹大動脈の右側を上行しながら腎静脈・肝静脈を受け、横隔膜の腱中心にある大静脈孔(T8の高さ)を貫いて右心房に注ぐ。左腎静脈が腹大動脈の前を横切って長く伸びること、左性腺静脈がその左腎静脈へ合流することも図で確認したい。
学習の要点
- 体循環の静脈の本幹は上大静脈(上半身)と下大静脈(下半身)の2本。動脈の本幹(大動脈)が1本なのと対照的。
- 覚え方のコツ:内頸静脈+鎖骨下静脈=腕頭静脈(合流部が静脈角)。左右の腕頭静脈+奇静脈=上大静脈、と足し算で辿る。
- 関連知識:奇静脈は脊柱の右側を上り、右の肋間静脈を集めて上大静脈の後面に注ぐ。半奇静脈・副半奇静脈が左側の肋間静脈を集めて奇静脈に合流する。
- よくある間違い:「腕頭静脈は右だけ」は誤り。右だけなのは腕頭"動脈"。腕頭静脈は左右にあり、左は長く水平に近い走行をとる。
- 臨床応用:大静脈孔はT8の高さで横隔膜の腱中心を貫く。動脈の大動脈裂孔〈T12〉や食道裂孔〈T10〉と高さを区別して問われやすい。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
下大静脈は、第( )腰椎の前で左右の総腸骨静脈が合流して始まる。空欄に入る数字を答えよ。
答えを見る
答え: 5
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。