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理由で解く 看護師国試

Q107A110 老年看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午前 問110
問題
Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。Aさんは5年前に2型糖尿病と診断された。1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。炊事は主にAさんが担当している。Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。Aさんのバイタルサインは、体温36.4°C、脈拍74/分、血圧128/80mmHg。身長154cm、体重68kgである。
1か月後、Aさんと一緒に外来を訪れた長女は「今までインスリンの治療は母に任せてきましたが、母は眼が見えにくく、インスリンの量が多い日があったようです。母が自己注射を続けられるように、私も手伝えればと思います」と外来看護師に話した。外来受診時、Aさんに末梢神経障害の症状は認められず、手指の動きに問題はなかった。Aさんがインスリン自己注射を行う上で、外来看護師が行う長女への助言で適切なのはどれか。
選択肢
1 「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」
2 「血糖測定は娘さんが代わりに行いましょう」
3 「注射の針はつけたままにしましょう」
4 「注射の部位は上腕を選びましょう」
解答
正解1(「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」)
解説

Aさんは手指の動きに問題がなく自己注射は継続可能だが、視力低下で単位設定を誤る(量が多い日がある)ことが課題。長女が単位(量)を一緒に確認することで、本人の自立を保ちつつ安全に注射できる。

Aさんは末梢神経障害がなく手指の動きにも問題がないため、注射手技そのものは自分で継続できる。問題は視力低下によりダイアル(単位設定)の目盛りが読みにくく、インスリン量を誤ることである。したがって長女の支援は、本人ができる手技は本人に任せつつ、間違えやすい『量(単位)の確認』を一緒に行う形が、自立の維持と安全確保を両立でき最も適切。血糖測定を長女が代行する(2)のは、本人ができることまで奪い自立を損なう。針をつけたままにする(3)は感染・液漏れ・空気混入のリスクがあり不適切(使用毎に新しい針へ交換する)。注射部位を上腕にする(4)は自己注射には向かない。自己注射では自分で手が届き、皮下をつまんで打ちやすい腹部を選ぶのが原則で、上腕は自分では手が届きにくく片手操作になりやすい(他者が注射する場合は上腕も用いる)。同じ場所を続けて使わず、少しずつずらして打つ。

✓ 1. 正しい
「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」
視力低下による単位の読み誤りを補いつつ、本人にできる手技は本人に任せられる最も適切な助言
✗ 2. 誤り
「血糖測定は娘さんが代わりに行いましょう」
手指の動きに問題はなく本人が行えるため、代行すると自立を損ない不適切
✗ 3. 誤り
「注射の針はつけたままにしましょう」
感染・液漏れ・空気混入の原因となり、針は毎回交換すべきで不適切
✗ 4. 誤り
「注射の部位は上腕を選びましょう」
自己注射では自分で手が届き皮下をつまみやすい腹部を選ぶのが原則。上腕は自分では手が届きにくく、自己注射では選びにくい
ポイント
  • 手技が保たれるなら自己注射は本人が継続、支援は困難な部分に限定
  • 視力低下では単位設定(量)の確認を家族が支援
  • 注射針は毎回新しいものに交換する
  • 自己注射の部位は腹部が第一選択(同じ場所を続けて使わない)
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