
この図の解説
この図は人体最大の腺である肝臓の多彩な機能を一覧にまとめたものです。まず縦に長い「物質代謝」の枠に注目してください。糖・蛋白質・脂質の三大栄養素に加え、ビタミンA・D・B12と鉄の扱いまでが並びます。糖代謝ではグルコースの供給・グリコーゲンの合成貯蔵・糖新生、蛋白質代謝ではアミノ酸供給・血漿蛋白質合成・アンモニアの無害化がキーワードです。続く「胆汁の合成・分泌」ではビリルビンを抱合型に変える点と胆汁酸が脂質消化を助ける点、「薬物代謝・解毒」では第1相反応(酸化・還元・水酸化・加水分解)とシトクロムP450、第2相反応(抱合)を押さえます。下段は血液凝固因子(フィブリノゲン・プロトロンビン)と抗凝固のヘパリンの生成、全血の約10%を蓄える血液貯蔵、クッパー細胞による生体防御、そして胎生期のみの造血。肝臓が代謝・解毒・貯蔵・防御を一手に担う「化学工場」であることを、この表の縦の並びで一気に俯瞰しましょう。
学習の要点
- 肝臓は物質代謝・胆汁分泌・解毒を三本柱に、貯蔵・血液凝固・生体防御・造血まで担う多機能臓器である。
- 覚え方のコツ: 貯蔵されるもの「A・D・B12・鉄・血液(全血の10%)」をセットで、運搬体は鉄=トランスフェリン/B12=トランスコバラミンと対で暗記する。
- 関連知識: ビタミンDは肝臓で水酸化後さらに腎臓で水酸化されて活性型になる二段階が要点。ヘモグロビン由来のビリルビン処理は脾臓・胆嚢の黄疸の話につながる。
- よくある間違い: 鉄の運搬体をトランスコバラミンと取り違える/クッパー細胞を胆汁分泌細胞と混同する/造血を成人でも肝臓が主役と思い込む。
- 臨床応用: 肝障害では凝固因子合成が落ちて出血傾向が出やすく、アンモニア処理の低下は肝性脳症につながるため、あはき臨床でも黄疸や出血斑の観察が禁忌判断の手がかりになる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
肝臓の薬物代謝で、第1相反応の水酸化に関わり薬物代謝の約90%に関与する酵素を( )という。
答えを見る
答え: シトクロムP450
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。