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理由で解く 看護師国試

Q106P105 母性看護学

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問105
問題
Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍高で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360mL。
産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。
選択肢
1 左腋窩に冷罨法を行う。
2 乳房マッサージを行う。
3 3時間ごとの授乳を勧める。
4 左乳房での授乳を中止する。
解答
正解1(左腋窩に冷罨法を行う。)
解説

産褥期に副乳(腋窩)が乳汁産生で腫脹・疼痛を起こした場合は、冷罨法で分泌抑制と疼痛緩和を図る。

産褥3〜4日は乳汁分泌が本格化し乳房緊満が起こる時期である。左腋窩の副乳も乳腺組織であり、乳汁がたまって腫脹・疼痛をきたしている。副乳は授乳では排乳できないため、冷罨法で局所を冷やし乳汁産生と血流を抑えて腫脹・疼痛を軽減するのが適切である。温める・マッサージするとかえって分泌が促され増悪する。副乳の症状は乳房での授乳とは無関係で、左乳房の授乳を中止する必要はなく、母乳育児は継続してよい。

✓ 1. 正しい
左腋窩に冷罨法を行う。
副乳の乳汁うっ滞による腫脹・疼痛を冷却で軽減でき適切
✗ 2. 誤り
乳房マッサージを行う。
乳汁分泌を促し副乳の腫脹・疼痛を悪化させうる
✗ 3. 誤り
3時間ごとの授乳を勧める。
時間で区切らず児が欲しがるとき(自律授乳)が原則で、副乳の対処にもならない
✗ 4. 誤り
左乳房での授乳を中止する。
副乳の症状は乳房授乳と無関係で、母乳育児を妨げる不要な中止
ポイント
  • 副乳は腋窩などにある乳腺組織で、産褥期に乳汁貯留で腫脹・疼痛を起こす
  • 副乳の腫脹・疼痛には冷罨法が有効(温罨法・マッサージは増悪)
  • 授乳は時間固定でなく児の欲求に応じる自律授乳が基本
比較表
乳房・副乳トラブルへの罨法の使い分け
状況対応
副乳の腫脹・疼痛(排乳できない)冷罨法で分泌抑制・鎮痛
うっ積性の乳房緊満(授乳前)温罨法・マッサージで排乳促進
乳汁うっ滞・乳腺炎の炎症冷罨法で消炎、授乳は継続
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