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理由で解く 看護師国試

Q106P047 老年看護学

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問47
問題
高齢者施設に入所中のAさん(78歳、女性)は、長期間寝たきり状態で、便秘傾向のため下剤を内服している。下腹部痛と便意を訴えるが3日以上排便がなく、浣腸を行うと短く硬い便塊の後に、多量の軟便が排泄されることが数回続いている。既往歴に、消化管の疾患や痔はない。Aさんの今後の排便に対する看護として最も適切なのはどれか。
選択肢
1 直腸の便塊の有無を確認する。
2 止痢薬の処方を医師に依頼する。
3 1日の水分摂取量を800mL程度とする。
4 食物繊維の少ない食事への変更を提案する。
解答
正解1(直腸の便塊の有無を確認する。)
解説

「硬便のあとに多量の軟便が漏れ出る」は嵌入便(宿便)による溢流性便失禁を示唆し、直腸内の便塊の有無を確認することが最優先である。

3日以上排便がなく、浣腸で硬い便塊の後に多量の軟便が出る所見は、直腸に硬便が詰まり(糞便嵌入=fecal impaction)、その隙間から水様〜軟便が漏れ出る「溢流性下痢(奇異性下痢)」の典型像である。したがって下痢ではなく便秘・宿便の徴候であり、まず直腸内の便塊の有無を触診(直腸内指診)で確認し、宿便の除去や摘便につなげる看護が最も適切である。摘便が必要な状態を見逃さないための評価が基本となる。

✓ 1. 正しい
直腸の便塊の有無を確認する。
溢流性下痢=嵌入便を疑い、まず便塊の有無を評価するのが最優先で最も適切
✗ 2. 誤り
止痢薬の処方を医師に依頼する。
本態は宿便による便秘であり、止痢薬はかえって便塊を増悪させ禁忌に近い
✗ 3. 誤り
1日の水分摂取量を800mL程度とする。
便秘・硬便対策では水分は不足させず十分量が必要で、制限は逆効果
✗ 4. 誤り
食物繊維の少ない食事への変更を提案する。
便秘傾向には食物繊維を適切に確保するのが基本で、減らすのは不適切
ポイント
  • 硬便後の多量軟便=嵌入便による溢流性(奇異性)下痢
  • 対応は便塊の確認→摘便・宿便除去
  • 止痢薬は禁忌に近い(便秘を悪化)
  • 水分・食物繊維は十分に確保する
比較表
嵌入便(宿便)による溢流性下痢の理解
観察所見解釈/対応
硬便の後に多量の軟便直腸の便塊周囲から漏れる溢流性下痢
3日以上の無排便・便意宿便による直腸閉塞のサイン
まず行う評価直腸内の便塊の有無を確認(摘便の準備)
避けること止痢薬・過度の水分制限・食物繊維の削減
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