学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ Q. 頭頸部の体表・局所解剖 / Q1075

理由で解く 解剖学

Q1075 運動器系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題32
問題
頸部における三角とそこにみられるものとの組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 顎下三角 ― 顎下腺
2 後頸三角 ― 頸神経叢
3 頸動脈三角 ― 総頸動脈
4 オトガイ下三角 ― 顔面動脈
解答
正解4(オトガイ下三角 ― 顔面動脈)
解説
✗ 1.
顎下三角 ― 顎下腺
✗ 正しい。 この組合せは正しい。顎下三角は下顎下縁と顎二腹筋前腹・後腹で囲まれる三角で、内部に顎下腺と顎下リンパ節が存在する。顔面動脈は顎下腺の深部を通り抜ける。
✗ 2.
後頸三角 ― 頸神経叢
✗ 正しい。 この組合せは正しい。後頸三角には頸神経叢の皮枝(小後頭神経・大耳介神経・頸横神経・鎖骨上神経)が胸鎖乳突筋後縁の中点付近から放射状に広がる。また副神経・腕神経叢・頸横動脈もここを通る。
✗ 3.
頸動脈三角 ― 総頸動脈
✗ 正しい。 この組合せは正しい。頸動脈三角(胸鎖乳突筋前縁・顎二腹筋後腹・肩甲舌骨筋上腹)には総頸動脈の分岐部・頸動脈洞・内頸動脈・外頸動脈・内頸静脈・迷走神経・舌下神経などが存在する。
✓ 4. 誤り
オトガイ下三角 ― 顔面動脈
本肢が「誤っている組合せ」で設問の正解。オトガイ下三角(左右の顎二腹筋前腹と舌骨体で囲まれる)にはオトガイ下リンパ節が存在するが、顔面動脈はこの三角を通らない。顔面動脈は外頸動脈から前方に分枝した後、顎下腺深部を通り、下顎下縁(咬筋前縁)を乗り越えて顔面に進入する経路をとる。すなわち顔面動脈の頸部走行は顎下三角(オトガイ下三角ではない)に関係が深く、問題の組合せは誤り。
ポイント
  • オトガイ下三角の内容はオトガイ下リンパ節。顔面動脈は顎下三角を通り下顎下縁を越えて顔面へ。
  • 覚え方のコツ: 前頸部の三角「オトガイ下(正中)→顎下(外側)→筋三角(中央下)→頸動脈三角(胸鎖乳突筋前縁下)」と位置を整理。
  • 関連知識: 前頸三角は顎二腹筋と肩甲舌骨筋により4つの小三角(オトガイ下・顎下・頸動脈・筋)に区分される。
  • よくある間違い: オトガイ下三角と顎下三角の内容を混同する/後頸三角に椎骨動脈を含めてしまう。
  • 臨床応用: 顎下三角は顎下腺疾患(唾石症・腫瘍)の触診部位。頸動脈三角は頸動脈超音波検査の部位。
比較表
三角 境界 主な内容
オトガイ下三角 左右顎二腹筋前腹・舌骨体 オトガイ下リンパ節
顎下三角 下顎下縁・顎二腹筋前腹・後腹 顎下腺・顎下リンパ節・顔面動脈
頸動脈三角 胸鎖乳突筋前縁・顎二腹筋後腹・肩甲舌骨筋上腹 総頸動脈・内頸動脈・外頸動脈・頸動脈洞・舌下神経
筋三角 胸鎖乳突筋前縁・肩甲舌骨筋上腹・正中線 舌骨下筋群・甲状腺・喉頭・気管
後頸三角 胸鎖乳突筋後縁・僧帽筋前縁・鎖骨 副神経・腕神経叢・頸神経叢皮枝
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題32|頸部における三角とそこにみられるものとの組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題32|頸部における三角とそこにみられるものとの組合せで誤っているのはどれか。
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