
この図の解説
この図は、腺細胞が分泌物を細胞外へ出す「出し方」の違いを3段に並べたものである。上段の開口分泌では、ゴルジ装置でつくられた分泌顆粒(分泌小胞)が細胞膜の直下まで移動し、顆粒を包む膜が細胞膜と癒合して中身だけを放出する。細胞は無傷のまま残るのがポイントで、代表例は小汗腺(エクリン汗腺)である。中段のアポクリン分泌(離出分泌)では、分泌物が細胞の頂部に集まって風船のように膨らみ、細胞質の一部とともにちぎれて分泌される。図でも上端がちぎれる様子が描かれ、大汗腺(アポクリン汗腺)や乳腺がこれにあたる。下段のホロクリン分泌(全分泌)では、細胞内が分泌物で満たされたのち細胞全体が変性し、細胞まるごとが分泌物となる。脂腺が代表例である。各細胞に共通して核・ゴルジ装置・分泌小胞が示されており、分泌物のつくられ方は同じでも「どこまで一緒に出すか」で3様式が分かれる点を読み取ってほしい。
学習の要点
- 外分泌腺の分泌様式は、細胞の壊れ方の程度で開口分泌・アポクリン分泌・ホロクリン分泌の3つに分けられる。
- 覚え方のコツ: 壊れる量が「ゼロ→一部→全部」の順。開口(中身だけ)<アポクリン(頂部がちぎれる)<ホロクリン(細胞まるごと)。別名は「離出=アポクリン」「全分泌=ホロクリン」。
- 関連知識: 分泌顆粒を袋詰めするのはゴルジ装置で、粗面小胞体でつくられたタンパク質が加工されて分泌顆粒になる。小汗腺は体温調節、脂腺は皮脂で皮膚に潤いを与える。
- よくある間違い: 「アポクリン汗腺=アポクリン分泌」は当然だが、乳腺もアポクリン分泌である点を落としやすい。脂腺を開口分泌と取り違えるのも頻出。
- 臨床応用: 腋窩の大汗腺(アポクリン汗腺)の分泌物はタンパク質を含み特有のにおいの原因となる。触診・施術で汗腺の分布(手掌・足底に多い小汗腺)を意識する場面がある。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
細胞内が分泌物で満たされたのち細胞全体が変性し、細胞まるごとが分泌物となる分泌様式を( )分泌(別名:全分泌)といい、脂腺にみられる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: ホロクリン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。