学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ P. 頭頸部の筋 / Q1060

理由で解く 解剖学

Q1060 運動器系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題20
問題
頭頸部の筋において脳神経に支配されるのはどれか。
選択肢
1 胸鎖乳突起
2 前斜角筋
3 大後頭直筋
4 頭板状筋
解答
正解1(胸鎖乳突起)
解説
✓ 1. 正しい
胸鎖乳突起
胸鎖乳突筋(設問では「胸鎖乳突起」と表記されるが筋のこと)は副神経(第XI脳神経)の脊髄根に支配される。副神経は頸静脈孔を出た後、胸鎖乳突筋に筋枝を出し、さらに後頸三角の浅層を斜めに横切って僧帽筋の深層に入り、内面からこの筋に枝を送る。胸鎖乳突筋は胸骨柄前面と鎖骨胸骨端から起こって側頭骨乳様突起に停止し、一側収縮で頭部を反対側に回旋させながら同側に側屈、両側同時収縮で頭部を前屈する。僧帽筋と同じく副神経支配である点は、両者が発生学的に同一の鰓弓起源である名残である。副神経の脊髄根が頸髄の副神経核に由来する点が、他の脳神経支配筋(表情筋=顔面神経、咀嚼筋=下顎神経、外眼筋=動眼・滑車・外転、舌筋=舌下神経など)と系譜の異なる特徴である。
✗ 2. 誤り
前斜角筋
前斜角筋は頸神経前枝(C4〜6)の筋枝に支配される脊髄神経支配筋である。斜角筋3筋(前・中・後)はいずれも頸神経前枝の支配で、脳神経ではない。
✗ 3. 誤り
大後頭直筋
大後頭直筋は後頭下筋群の一つで、第1頸神経後枝(後頭下神経)に支配される。後頭下筋群(大・小後頭直筋、上・下頭斜筋)はすべて同神経による脊髄神経支配である。
✗ 4. 誤り
頭板状筋
頭板状筋は項部の筋で、頸神経後枝(C1〜3または4)の外側枝に支配される脊髄神経支配の筋である。僧帽筋の深層にあり、頭部の伸展・回旋に働く。
ポイント
  • 胸鎖乳突筋と僧帽筋は副神経(第XI脳神経)支配。頭頸部の筋で脳神経支配を受ける代表筋は副神経・顔面神経・下顎神経・舌下神経支配群。
  • 覚え方のコツ: 「脳神経支配の頸筋=胸鎖乳突筋+僧帽筋(副神経)」。斜角筋・椎前筋・後頭下筋は頸神経(脊髄神経)。
  • 関連知識: 頭頸部の脳神経支配筋:表情筋=顔面神経(VII)/咀嚼筋=下顎神経(V3)/舌筋=舌下神経(XII)/外眼筋=動眼(III)・滑車(IV)・外転(VI)/咽頭・喉頭=迷走神経+舌咽神経/胸鎖乳突筋・僧帽筋=副神経(XI)。
  • よくある間違い: 斜角筋を副神経支配と誤認/後頭下筋群を脳神経支配と混同。
  • 臨床応用: 副神経麻痺では胸鎖乳突筋・僧帽筋萎縮、翼状肩甲、頭部回旋障害。頸部手術(リンパ節郭清)で副神経損傷に注意。
比較表
支配神経 種別
胸鎖乳突筋 副神経(XI)脊髄根 脳神経
僧帽筋 副神経(XI)+C2-4 脳神経(主)
前斜角筋 頸神経前枝(C4-6) 脊髄神経
大後頭直筋 後頭下神経(C1後枝) 脊髄神経
頭板状筋 頸神経後枝 脊髄神経
表情筋 顔面神経(VII) 脳神経
咀嚼筋 下顎神経(V3) 脳神経
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題20|頭頸部の筋において脳神経に支配されるのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題20|頭頸部の筋において脳神経に支配されるのはどれか。
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