学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1052

理由で解く 解剖学

Q1052 運動器系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題21
問題
筋とその支配神経との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 内側直筋 ― 滑車神経
2 円回内筋 ― 尺骨神経
3 腹直筋 ― 肋間神経
4 前脛骨筋 ― 浅腓骨神経
解答
正解3(腹直筋 ― 肋間神経)
解説
✗ 1. 誤り
内側直筋 ― 滑車神経
内側直筋は眼球を内転させる外眼筋で、動眼神経(第III脳神経)に支配される。滑車神経(第IV脳神経)が支配するのは上斜筋のみである。
✗ 2. 誤り
円回内筋 ― 尺骨神経
円回内筋は前腕を回内する筋で、正中神経に支配される。尺骨神経が支配する前腕屈筋は尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半分のみである。
✓ 3. 正しい
腹直筋 ― 肋間神経
腹直筋は恥骨結合・恥骨稜から起こり剣状突起と第5〜7肋軟骨前面に停止する前腹壁の主筋で、下位肋間神経(第5〜12胸神経の前枝)により分節的に支配される。体幹の屈曲(腰を曲げる・起き上がる動作)と腹圧の上昇に働く。腱画によって複数の筋腹に分けられ、各筋腹が異なる肋間神経支配を受けるため、肋間神経支配は腹直筋の主要な神経支配として代表的である。肋間神経は他に外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋(第7〜12胸神経)および腸骨下腹神経・腸骨鼠径神経(腰神経叢)と協働して体幹の屈曲・側屈・腹圧を担う。
✗ 4. 誤り
前脛骨筋 ― 浅腓骨神経
前脛骨筋は下腿前面の伸筋群に属し、「深腓骨神経」に支配されて足関節の背屈と内反を行う。浅腓骨神経が支配するのは下腿外側の腓骨筋群(長・短腓骨筋)である。
ポイント
  • 腹直筋は下位肋間神経(T5〜T12前枝)に支配される。前脛骨筋は深腓骨神経、内側直筋は動眼神経、円回内筋は正中神経。
  • 覚え方のコツ: 外眼筋の特殊ペア「上斜筋=滑車神経/外側直筋=外転神経/その他=動眼神経」。前腕屈筋は「尺側手根屈筋と深指屈筋尺側=尺骨、他は正中」。
  • 関連知識: 腹直筋=T5〜T12、外腹斜筋=T5〜12、内腹斜筋・腹横筋=T7〜12+腸骨下腹神経(L1)。下腿前面の伸筋群は深腓骨神経、外側の腓骨筋群は浅腓骨神経、後面屈筋群は脛骨神経。
  • よくある間違い: 「円回内筋=尺骨神経」と誤記憶(正しくは正中神経)/「前脛骨筋=浅腓骨神経」と混同(正しくは深腓骨神経)。
  • 臨床応用: 下垂足は深腓骨神経麻痺で起こる前脛骨筋麻痺の代表所見。腹筋群の筋力低下は腰部の安定性を損ない、腰痛の誘因となる。
比較表
支配神経 作用
腹直筋 肋間神経(T5-T12) 体幹屈曲・腹圧
内側直筋 動眼神経(III) 眼球内転
外側直筋 外転神経(VI) 眼球外転
上斜筋 滑車神経(IV) 眼球内下転
円回内筋 正中神経 前腕回内・肘屈曲補助
前脛骨筋 深腓骨神経 足背屈・内反
長・短腓骨筋 浅腓骨神経 足底屈・外反
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題21|筋とその支配神経との組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題21|筋とその支配神経との組合せで正しいのはどれか。
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