学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ P. 頭頸部の筋 / Q1056

理由で解く 解剖学

Q1056 運動器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題18
問題
舌骨上筋はどれか。
選択肢
1 肩甲舌骨筋
2 胸骨甲状筋
3 甲状舌骨筋
4 顎舌骨筋
解答
正解4(顎舌骨筋)
解説
✗ 1. 誤り
肩甲舌骨筋
肩甲舌骨筋は肩甲骨上縁から起こり舌骨体に停止する舌骨下筋群の一員で、中間腱をはさみ上腹と下腹に分かれる特殊な形態を持つ。頸神経ワナの枝により支配され、嚥下や発声時に舌骨を引き下げる。
✗ 2. 誤り
胸骨甲状筋
胸骨甲状筋は胸骨柄の後面から甲状軟骨斜線に停止し、甲状軟骨(喉頭)を下方へ引く舌骨下筋である。舌骨自体には付着しないため舌骨上下どちらにも当てはまらず、頸神経ワナの支配を受ける典型的な下筋群として整理しておくとよい。
✗ 3. 誤り
甲状舌骨筋
甲状舌骨筋は甲状軟骨斜線から舌骨体・大角に至る舌骨下筋群の一つで、舌骨を下げるか、または舌骨が固定されていれば甲状軟骨を引き上げる作用を持つ。舌骨の「下」から付着するため舌骨上筋には分類されない。
✓ 4. 正しい
顎舌骨筋
顎舌骨筋は下顎骨の顎舌骨筋線から起こり、正中縫線と舌骨体に停止して口腔底の筋性隔壁をなす舌骨上筋である。左右が合わさり口腔底を吊り下げ、嚥下第1相で舌骨を前上方に挙上して食塊を咽頭へ送る役割を担う。支配神経は三叉神経第3枝(下顎神経)の枝である顎舌骨筋神経で、同じく下顎神経に支配される顎二腹筋前腹・オトガイ舌骨筋とともに口腔底を構成する点が重要である。これに対し茎突舌骨筋と顎二腹筋後腹は顔面神経の支配を受け、同じ舌骨上筋の中でも支配神経が異なるのが頻出ポイントである。
ポイント
  • 舌骨上筋は舌骨より上方で下顎骨・側頭骨と舌骨を結び、嚥下時に舌骨を挙上する。顎舌骨筋・オトガイ舌骨筋・顎二腹筋・茎突舌骨筋の4つである。
  • 覚え方のコツ: 「上は顎と舌とオトガイと茎突」と唱える。舌骨下筋は「胸・肩・甲状・胸甲状」で下に引くと対で整理する。
  • 関連知識: 顎舌骨筋・顎二腹筋前腹・オトガイ舌骨筋は三叉神経系(下顎神経/C1経由)支配、茎突舌骨筋・顎二腹筋後腹は顔面神経支配で支配神経が2系統に分かれる。
  • よくある間違い: 甲状舌骨筋を「舌骨」の名に引きずられて舌骨上筋と誤認する。舌骨を境に上下で分けるのが原則。
  • 臨床応用: 舌骨上筋群の弱化は嚥下時の舌骨挙上不全による嚥下障害(誤嚥)と関連し、リハビリではシャキア訓練などで筋力強化を図る。
比較表
区分 支配神経 主作用
舌骨上筋 顎舌骨筋 下顎神経(V3) 口腔底挙上・舌骨前上方挙上
舌骨上筋 オトガイ舌骨筋 舌下神経を経由するC1 舌骨の前上方への引き上げ
舌骨上筋 顎二腹筋(前腹/後腹) V3/顔面神経 舌骨挙上・開口補助
舌骨上筋 茎突舌骨筋 顔面神経 舌骨を後上方へ引く
舌骨下筋 胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・胸骨甲状筋・甲状舌骨筋 頸神経ワナ(C1-C3) 舌骨・喉頭を下方へ固定
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題18|舌骨上筋はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題18|舌骨上筋はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手