学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ P. 頭頸部の筋 / Q1057

理由で解く 解剖学

Q1057 運動器系

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題18
問題
顔面神経が支配する筋はどれか。
選択肢
1 顎舌骨筋
2 胸骨舌骨筋
3 茎突舌骨筋
4 甲状舌骨筋
解答
正解3(茎突舌骨筋)
解説
✗ 1. 誤り
顎舌骨筋
顎舌骨筋は下顎骨内面から舌骨体に走る舌骨上筋群の1つで、口腔底をつくる筋である。支配は三叉神経第3枝(下顎神経)の枝である顎舌骨筋神経で、顔面神経ではない。
✗ 2. 誤り
胸骨舌骨筋
胸骨舌骨筋は胸骨柄から舌骨体に至る舌骨下筋群の1つで、嚥下後に挙上した舌骨を引き下げる。支配は頸神経叢からの頸神経ワナ(C1〜C3)で、顔面神経ではない。
✓ 3. 正しい
茎突舌骨筋
茎突舌骨筋は側頭骨の茎状突起から舌骨体に走る細長い筋で、舌骨上筋群に属し、舌骨を後上方に引く働きをする。支配神経は顔面神経(VII)の茎突舌骨筋枝で、同じく顔面神経支配の顎二腹筋後腹と近接して走る。茎状突起起始の3筋(茎突舌骨筋・茎突咽頭筋・茎突舌筋)のうち、支配神経はそれぞれ顔面神経・舌咽神経・舌下神経と異なる点に注意。
✗ 4. 誤り
甲状舌骨筋
甲状舌骨筋は甲状軟骨から舌骨に至る舌骨下筋群の1つで、舌骨下筋群のうちでも例外的に頸神経ワナではなく頸神経叢のC1枝(舌下神経に伴走)に支配される。顔面神経支配ではない。
ポイント
  • 舌骨上下筋群のうち顔面神経支配は茎突舌骨筋と顎二腹筋後腹の2筋のみ。
  • 覚え方のコツ: 「名前に『舌骨』が付く筋」は多いが、支配神経は筋ごとにバラバラ。顔面神経支配は「茎突(舌骨筋)と後腹」=第2鰓弓由来、と発生で覚えると間違えない。
  • 関連知識: 舌骨上筋群は4筋(顎二腹筋・茎突舌骨筋・顎舌骨筋・オトガイ舌骨筋)。支配は顎二腹筋前腹・顎舌骨筋=V3、顎二腹筋後腹・茎突舌骨筋=VII、オトガイ舌骨筋=C1(舌下神経伴走)。舌骨下筋群は胸骨舌骨筋・胸骨甲状筋・肩甲舌骨筋=頸神経ワナ、甲状舌骨筋=C1。
  • よくある間違い: 顎舌骨筋を顔面神経支配と誤る(正しくはV3)/甲状舌骨筋を頸神経ワナ支配と誤る(正しくはC1)/茎突舌骨筋と茎突舌筋(舌下神経)を混同する。
  • 臨床応用: Bell麻痺など末梢性顔面神経麻痺では顔面表情筋の麻痺に加え、茎突舌骨筋・顎二腹筋後腹の麻痺により舌骨の後上方挙上が弱くなり嚥下時の喉頭挙上が不十分となる可能性がある。
比較表
支配神経 発生起源
顎二腹筋前腹 三叉神経V3(顎舌骨筋神経) 第1鰓弓
顎舌骨筋 三叉神経V3(顎舌骨筋神経) 第1鰓弓
顎二腹筋後腹 顔面神経VII 第2鰓弓
茎突舌骨筋 顔面神経VII 第2鰓弓
オトガイ舌骨筋 C1(舌下神経伴走) 後頭筋節
胸骨舌骨筋・胸骨甲状筋・肩甲舌骨筋 頸神経ワナ(C1〜C3) 頸筋節
甲状舌骨筋 C1(舌下神経伴走) 頸筋節
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題18|顔面神経が支配する筋はどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題18|顔面神経が支配する筋はどれか。
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