学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0839

理由で解く 解剖学

Q0839 運動器系

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題17
問題
後頭蓋窩にあるのはどれか。
選択肢
1 下垂体窩
2 棘 孔
3 斜 台
4 正円孔
解答
正解3(斜 台)
解説
✗ 1. 誤り
下垂体窩
下垂体窩は蝶形骨体の上面にあるトルコ鞍の中央の窪みで、下垂体が収まる位置である。蝶形骨は中頭蓋窩を構成する骨で、下垂体窩は「中頭蓋窩」にあり、後頭蓋窩ではない。前頭蓋窩・中頭蓋窩・後頭蓋窩の3区分で整理する。
✗ 2. 誤り
棘 孔
棘孔は蝶形骨大翼にある小孔で、中硬膜動脈(顎動脈の枝)と下顎神経髄膜枝が通過する。蝶形骨は中頭蓋窩を形成する骨で、棘孔は「中頭蓋窩」に位置する。後頭蓋窩にはない。
✓ 3. 正しい
斜 台
斜台は蝶形骨体後部(鞍背の後ろ)と後頭骨底部が癒合してできる、大後頭孔前方へと下降する傾斜面である。この斜台は「後頭蓋窩」の前壁を構成し、その背側(上方)に橋・延髄が載るように位置する。後頭蓋窩には他に小脳・椎骨動脈・大後頭孔などが収まり、斜台はその前下方境界となる重要な骨性指標である。斜台に腫瘍(斜台部髄膜腫や脊索腫)が発生すると、外転神経や橋底面を圧迫し複視や長経路徴候を呈する。
✗ 4. 誤り
正円孔
正円孔は蝶形骨大翼にあり上顎神経(三叉神経V2)を通す。蝶形骨由来で「中頭蓋窩」に位置する。三叉神経の通路は「V1=上眼窩裂/V2=正円孔/V3=卵円孔」でセットで覚えるのが定番。後頭蓋窩には含まれない。
ポイント
  • 斜台は蝶形骨体後部と後頭骨底部の癒合部で、後頭蓋窩の前方の傾斜面。大後頭孔の前方に続き、橋・延髄が背側に載る位置関係をとる。
  • 覚え方のコツ: 「前=眼(篩骨)/中=蝶(トルコ鞍・正円・棘・卵円)/後=後頭(斜台・大後頭孔)」と骨で整理。斜台は中後の境目にある「橋の床」とイメージ。
  • 関連知識: 後頭蓋窩には小脳・橋・延髄が収まり、大後頭孔・内耳孔・頸静脈孔・舌下神経管などが開口する。下垂体窩(=トルコ鞍)は中頭蓋窩。
  • よくある間違い: 下垂体窩を後頭蓋窩と混同する/正円孔・棘孔を後頭蓋窩に入れる/斜台を中頭蓋窩と誤記する。
  • 臨床応用: 斜台部髄膜腫・脊索腫は外転神経や橋底面を圧迫し複視や長経路徴候を起こす。小脳扁桃が大後頭孔へ嵌入するとチアリ奇形の病態となる。
比較表
頭蓋窩 主な骨 収まる構造 代表的な孔・部位
前頭蓋窩 前頭骨・篩骨・蝶形骨小翼 前頭葉 篩板(嗅神経)
中頭蓋窩 蝶形骨大翼・側頭骨 側頭葉、下垂体 下垂体窩、上眼窩裂、正円孔、卵円孔、棘孔
後頭蓋窩 後頭骨・側頭骨錐体部 橋、延髄、小脳 斜台、大後頭孔、内耳孔、頸静脈孔、舌下神経管
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題17|後頭蓋窩にあるのはどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題17|後頭蓋窩にあるのはどれか。
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