学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0840

理由で解く 解剖学

Q0840 運動器系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題16
問題
側頭骨に属さないのはどれか。
選択肢
1 頸動脈管
2 正円孔
3 鼓室
4 顔面神経管
解答
正解2(正円孔)
解説
✗ 1.
頸動脈管
✗ 正しい。 側頭骨錐体部を貫くS字状の管で、内頸動脈が頸部から頭蓋腔に入る通路となる。頭蓋底下面の外頸動脈孔から頸動脈孔へ抜ける経路は側頭骨内に完全に含まれる構造である。
✓ 2. 誤り
正円孔
正円孔は蝶形骨大翼に開く円形の孔で、中頭蓋窩と翼口蓋窩を交通させ、三叉神経第2枝の上顎神経(V2)が通過する。側頭骨ではなく蝶形骨に属する構造であり、名称の類似する「卵円孔(蝶形骨大翼・下顎神経V3が通過)」と同じ骨に属している。側頭骨は錐体・鱗部・鼓室部・乳突部に区分され、そのなかには頸動脈管、顔面神経管、鼓室(中耳腔)、内耳道、茎乳突孔などが含まれるが、正円孔は含まれない。V2・V3の通路は蝶形骨、V1は蝶形骨と前頭骨の境界(上眼窩裂)と、三叉神経の3枝はいずれも蝶形骨関連の孔裂を通ることを押さえておくとよい。
✗ 3.
鼓室
✗ 正しい。 鼓室は側頭骨錐体部内にある中耳の空洞で、ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の3耳小骨を収める。鼓膜で外耳道と、耳管で咽頭と交通し、側頭骨に完全に内包される構造である。
✗ 4.
顔面神経管
✗ 正しい。 側頭骨錐体部内を走る顔面神経(VII)の通路で、内耳孔から始まり膝状神経節で外方に曲がり、茎乳突孔で頭蓋外に出るまで側頭骨内を蛇行する。顔面神経管は側頭骨を代表する構造である。
ポイント
  • 正円孔は蝶形骨大翼に開き、三叉神経第2枝(上顎神経V2)が中頭蓋窩から翼口蓋窩に通る。一方、側頭骨には頸動脈管・顔面神経管・鼓室・内耳道・茎乳突孔などが含まれる。
  • 覚え方のコツ: 「正円孔・卵円孔は蝶形骨の〈円〉仲間(V2・V3)」と覚え、側頭骨は「耳と顔面神経の骨=鼓室+顔面神経管+内耳道+頸動脈管」とセットで記憶する。
  • 関連知識: 三叉神経の出孔は、V1眼神経=上眼窩裂、V2上顎神経=正円孔、V3下顎神経=卵円孔。上・正・卵の順で上から下に並び、全て蝶形骨関連の孔を通る。
  • よくある間違い: 名称に「円」がつく正円孔・卵円孔・大後頭孔を同じ骨と勘違いしやすい。正円孔・卵円孔は蝶形骨、大後頭孔は後頭骨と所属骨が異なる。
  • 臨床応用: 三叉神経痛でV2領域(頬部)の痛みは正円孔通過枝に由来する。中耳炎では側頭骨内の顔面神経管を介して顔面神経麻痺(Bell麻痺類似)を合併することがある。
比較表
孔・裂 所属骨 通過する脳神経
上眼窩裂 蝶形骨 III・IV・V1・VI
正円孔 蝶形骨 V2(上顎神経)
卵円孔 蝶形骨 V3(下顎神経)
内耳孔 側頭骨 VII・VIII
茎乳突孔 側頭骨 VII(出口)
頸静脈孔 側頭骨・後頭骨 IX・X・XI
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題16|側頭骨に属さないのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題16|側頭骨に属さないのはどれか。
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