学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1055

理由で解く 解剖学

Q1055 運動器系

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題17
問題
内転筋管を通過するのはどれか。
選択肢
1 膝窩動脈
2 大腿動脈
3 大腿深動脈
4 閉鎖動脈
解答
正解2(大腿動脈)
解説
✗ 1. 誤り
膝窩動脈
膝窩動脈は大腿動脈が内転筋腱裂孔を通過した「後」、膝窩に出てから名を改めた動脈で、内転筋管そのものの中は走らない。膝窩動脈は膝関節後方を下行してヒラメ筋腱弓をくぐり前・後脛骨動脈に分岐する。
✓ 2. 正しい
大腿動脈
大腿動脈は大腿三角の下部から始まる内転筋管(Hunter管)の中を伏在神経・大腿静脈とともに下行する。内転筋管は大腿中央〜下部で縫工筋(上半分の屋根)と大内転筋・内側広筋(下半分の床と壁)に張る筋膜によってトンネル状を呈し、ここを大腿動静脈と伏在神経が通る。内転筋管を出る点は大内転筋の停止部にできる内転筋腱裂孔で、ここを過ぎると大腿動脈は膝窩に達して膝窩動脈に移行する。このように「大腿三角→内転筋管→内転筋腱裂孔→膝窩」という流れを辿るのが大腿動脈の本幹走行で、これが本肢の根拠となる。
✗ 3. 誤り
大腿深動脈
大腿深動脈は大腿動脈から大腿三角下部で分枝する太い枝で、大腿の後面に向かって下行しながら、内側・外側大腿回旋動脈、および貫通動脈を出して大腿の伸筋群・内転筋群・屈筋群を栄養する。内転筋管の中ではなく、内転筋群と内側広筋の間(大腿動脈より深い位置)を走行する。
✗ 4. 誤り
閉鎖動脈
閉鎖動脈は内腸骨動脈の枝で、閉鎖孔を通って大腿内側の内転筋群を栄養する。内転筋管を通過する血管ではなく、内転筋群を閉鎖孔経由で支配する点で系統が異なる。
ポイント
  • 内転筋管(Hunter管)の内容は「大腿動脈・大腿静脈・伏在神経」。屋根は縫工筋、床・壁は大内転筋と内側広筋。
  • 覚え方のコツ: 大腿動脈のルート「血管裂孔→大腿三角→内転筋管→内転筋腱裂孔→膝窩動脈」を一連で丸暗記。
  • 関連知識: 大腿深動脈は三角下部で大腿動脈から分枝し、内転筋管の外では独自に走る。閉鎖動脈は閉鎖孔、膝窩動脈は内転筋管の出口より遠位。
  • よくある間違い: 膝窩動脈を内転筋管の中身と誤認/大腿深動脈を大腿動脈の本幹と混同。
  • 臨床応用: 内転筋管での大腿動脈閉塞は下腿への血流障害(閉塞性動脈硬化症の好発部位)。内転筋管ブロックは膝関節手術後の鎮痛に用いられる(伏在神経支配領域)。
比較表
通過部位 通過する構造
内転筋管(Hunter管) 大腿動脈・大腿静脈・伏在神経
内転筋腱裂孔(出口) 大腿動静脈が膝窩へ移行
閉鎖孔 閉鎖神経・閉鎖動静脈
血管裂孔 大腿動静脈・リンパ管
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題17|内転筋管を通過するのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題17|内転筋管を通過するのはどれか。
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