学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1054

理由で解く 解剖学

Q1054 運動器系

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題20
問題
下肢の動脈と伴行する神経の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 大腿動脈———閉鎖神経
2 膝窩動脈———伏在神経
3 腓骨動脈———脛骨神経
4 足背動脈———深腓骨神経
解答
正解4(足背動脈———深腓骨神経)
解説
✗ 1. 誤り
大腿動脈———閉鎖神経
大腿動脈の伴行神経は大腿三角では大腿神経(外側)、内転筋管では伏在神経(大腿神経の皮枝)である。閉鎖神経は閉鎖孔を通って大腿内側の内転筋群を支配するが、大腿動脈とは伴行しない。
✗ 2. 誤り
膝窩動脈———伏在神経
膝窩動脈の伴行神経は「脛骨神経」である。脛骨神経は膝窩中央を垂直に下行して膝窩動脈と並走し、ヒラメ筋腱弓をくぐって下腿後面深層に至る。伏在神経は大腿神経の皮枝で内転筋管を大腿動脈と伴走するため、膝窩を通らない。
✗ 3. 誤り
腓骨動脈———脛骨神経
腓骨動脈は後脛骨動脈の分枝で下腿後面深層を腓骨に沿って下行する。下腿後面深層では脛骨神経が屈筋群を支配するが、脛骨神経本幹は後脛骨動脈と伴走し、腓骨動脈は独立した走行をとる。また腓骨動脈は体表から触知不能な深部動脈である。
✓ 4. 正しい
足背動脈———深腓骨神経
足背動脈は前脛骨動脈が伸筋支帯の下をくぐって足背に現れたものの続きで、長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間を前方へ走行する。この経過で深腓骨神経が終始伴行し、最終的に母指と第2指の間(下駄の鼻緒が食い込む部位)の皮膚感覚を担う細い皮枝として終わる。深腓骨神経は下腿前面では長指屈筋と前脛骨筋の間を前脛骨動脈と伴走しながら下行し、伸筋群を支配する運動枝を出した後、前脛骨動脈→足背動脈の伴走神経として足背に達する。つまり「前脛骨動脈・足背動脈+深腓骨神経」は下腿前面〜足背の運動系と血管系が一体化した代表的な組み合わせである。
ポイント
  • 足背動脈と深腓骨神経は下腿前面〜足背で一貫して伴行する。膝窩動脈は脛骨神経、大腿動脈(内転筋管内)は伏在神経と伴行。
  • 覚え方のコツ: 「動脈と神経のペア」:大腿動脈+伏在神経(内転筋管)/膝窩動脈+脛骨神経/前脛骨・足背動脈+深腓骨神経/後脛骨動脈+脛骨神経。
  • 関連知識: 坐骨神経は大腿動脈と伴行せず、梨状筋下孔から大腿後面を下行。大腿深動脈から大腿後面へ貫通動脈が枝を出す。
  • よくある間違い: 膝窩動脈を総腓骨神経と伴走と誤認(総腓骨神経は膝窩外縁、動脈とは走行軸が異なる)。
  • 臨床応用: 足背動脈の拍動触知点は深腓骨神経の終止部と一致するため、下肢神経学的診察で一緒に評価しやすい。糖尿病性足病変では末梢拍動・神経症状の両方が障害される。
比較表
動脈 伴行神経 部位
大腿動脈 大腿神経→伏在神経 大腿三角・内転筋管
膝窩動脈 脛骨神経 膝窩
後脛骨動脈 脛骨神経 下腿後面深層〜足根管
腓骨動脈 (単独走行、神経と伴行せず) 下腿後面深層
前脛骨動脈→足背動脈 深腓骨神経 下腿前面〜足背
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題20|下肢の動脈と伴行する神経の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題20|下肢の動脈と伴行する神経の組合せで正しいのはどれか。
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