学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1049

理由で解く 解剖学

Q1049 運動器系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題34
問題
体表から拍動の触れない動脈はどれか。
選択肢
1 大腿動脈
2 膝窩動脈
3 腓骨動脈
4 足背動脈
解答
正解3(腓骨動脈)
解説
✗ 1. 誤り
大腿動脈
大腿動脈は鼠径靭帯中央部の直下で強い拍動を体表から容易に触知できる。心肺蘇生や循環動態の評価で脈拍確認部位として頻用される。
✗ 2. 誤り
膝窩動脈
膝窩動脈は膝窩の深層を走るため通常は触れにくいが、膝を軽く屈曲させて膝窩下部で触察できる。血圧測定や膝窩動脈瘤の確認にも用いられる。
✓ 3. 正しい
腓骨動脈
腓骨動脈は後脛骨動脈から下腿上部で分かれて下腿後面深層(長母指屈筋の深層)を腓骨に沿って下行する動脈で、周囲を筋群と骨(腓骨)に深く覆われているため、体表から拍動を触知することはできない。後脛骨動脈は内果後方で触知可能だが、腓骨動脈は最後まで深部に留まり外果上部で腓骨を栄養する枝を出した後、踵骨枝となって終わるため、脈拍触知の臨床的価値がない。下肢の動脈のうち体表触知点は「大腿動脈(鼠径靭帯中央)・膝窩動脈(膝窩)・後脛骨動脈(内果後方)・足背動脈(足背)」の4点が挙げられ、腓骨動脈はこれらに含まれない。
✗ 4. 誤り
足背動脈
足背動脈は前脛骨動脈が伸筋支帯下をくぐった後の延長で、足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で体表から拍動を触知できる。下肢末梢循環の評価(閉塞性動脈硬化症のスクリーニングなど)に用いられる重要な触知点である。
ポイント
  • 下肢の拍動触知可能点は「大腿・膝窩・後脛骨・足背」の4点。腓骨動脈は深部を走り触知できない。
  • 覚え方のコツ: 「触れる動脈4点セット:鼠径/膝窩/内果後/足背」と区切って暗記。腓骨動脈は後脛骨動脈の分枝で常に深部。
  • 関連知識: 足背動脈は前脛骨動脈、後脛骨動脈・腓骨動脈は膝窩動脈の分枝。膝窩動脈→前脛骨動脈+後脛骨動脈(後者から腓骨動脈が分岐)。
  • よくある間違い: 「腓骨動脈は外果付近で触れる」と誤認(外果付近は触知不能)/足背動脈と後脛骨動脈を混同。
  • 臨床応用: 下肢閉塞性動脈疾患(ASO)のスクリーニングで足背動脈・後脛骨動脈触知と足関節上腕血圧比(ABI)測定が基本。糖尿病性壊疽では末梢拍動の消失が診断の鍵。
比較表
動脈 触知部位 臨床的意義
大腿動脈 鼠径靭帯中央下 CPR・循環評価
膝窩動脈 膝窩中央(膝屈曲位) 動脈瘤好発
後脛骨動脈 内果と踵骨の間 ABI測定
足背動脈 長母指伸筋腱外側 ASOスクリーニング
腓骨動脈 触知不能(深部走行)
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題34|体表から拍動の触れない動脈はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題34|体表から拍動の触れない動脈はどれか。
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