学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1050

理由で解く 解剖学

Q1050 運動器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題24
問題
筋裂孔を通るのはどれか。
選択肢
1 大腿神経
2 大腿動脈
3 大腿静脈
4 恥骨筋
解答
正解1(大腿神経)
解説
✓ 1. 正しい
大腿神経
大腿神経(L2〜4)は腰神経叢最大の枝で、大腰筋と腸骨筋の間を下行し、両筋が合流した腸腰筋とともに鼠径靭帯の下にできた「筋裂孔」をくぐって大腿三角に至る。筋裂孔は血管裂孔の外側にあり、腸恥筋膜弓によって内側の血管裂孔と仕切られる。筋裂孔にはほかに外側大腿皮神経も通るが、大腿三角の内容物として大腿動静脈と並び立つのは大腿神経自身である(大腿三角では大腿神経が最外側、次いで大腿動脈、最内側に大腿静脈の順=MAVN)。通過後、大腿神経は大腿四頭筋・縫工筋への筋枝、大腿前面の前皮枝、そして大腿〜下腿内側を皮下で下行して足の内側まで広がる伏在神経を分枝する。
✗ 2. 誤り
大腿動脈
大腿動脈は外腸骨動脈の続きで、鼠径靭帯中央下の「血管裂孔」を通って大腿三角に出る。筋裂孔の内側にある血管裂孔を大腿静脈・リンパ管とともに通過する。
✗ 3. 誤り
大腿静脈
大腿静脈も大腿動脈と同じく「血管裂孔」を通過して大腿三角に入り、動脈の内側に位置する。その最内側にはリンパ管と大腿輪があり、これが大腿ヘルニアの脱出口となる。
✗ 4. 誤り
恥骨筋
恥骨筋は恥骨上枝から起こり大腿骨の恥骨筋線に停止する内転筋群の筋で、大腿三角の床を腸腰筋とともに構成する。筋自体は裂孔を通る構造ではなく、鼠径靭帯の深部に位置する大腿三角の床である。
ポイント
  • 筋裂孔(外側)=腸腰筋+大腿神経+外側大腿皮神経。血管裂孔(内側)=大腿動静脈+リンパ管。
  • 覚え方のコツ: 大腿三角内容は外→内「大腿神経・大腿動脈・大腿静脈(NAV)」。神経だけが筋裂孔、残りが血管裂孔通過。
  • 関連知識: 恥骨筋は大腿三角の床(腸腰筋と並ぶ)。大腿神経は下行後、筋枝と伏在神経(内転筋管を通り下腿内側皮膚へ)を分岐。
  • よくある間違い: 大腿動脈を筋裂孔通過と誤認/大腿神経を血管裂孔の神経と混同。
  • 臨床応用: 大腿神経損傷(骨盤骨折、後腹膜血腫など)では大腿四頭筋麻痺により膝伸展不能・膝くずれ歩行となる。大腿神経ブロックは股関節・膝関節術の鎮痛で多用。
比較表
構造 通過する裂孔 大腿三角での位置
大腿神経 筋裂孔 最外側
大腿動脈 血管裂孔 中央
大腿静脈 血管裂孔 最内側(リンパ・大腿輪のすぐ外)
腸腰筋 筋裂孔 三角の床
恥骨筋 ─(筋裂孔は通らない) 三角の床
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題24|筋裂孔を通るのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題24|筋裂孔を通るのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手