学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1048

理由で解く 解剖学

Q1048 運動器系

出典:鍼灸 第9回(2001) 問題15
問題
筋裂孔を通るのはどれか。
選択肢
1 大伏在静脈
2 足底筋の腱
3 大腿神経
4 大腿動脈
解答
正解3(大腿神経)
解説
✗ 1. 誤り
大伏在静脈
大伏在静脈は内果前方から大腿内側の皮下を上行し、大腿三角の伏在裂孔を貫いて大腿静脈に合流する。鼠径靭帯下の筋裂孔や血管裂孔は通らない。
✗ 2. 誤り
足底筋の腱
足底筋は下腿後面浅層にある小さな筋で、大腿骨外側上顆から起こり、細長い腱が下腿三頭筋の内側を下行してアキレス腱内側に合流し踵骨に停止する。下肢基部とは関係がない。
✓ 3. 正しい
大腿神経
筋裂孔は鼠径靭帯の下を走る腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)の通路で、ここを外側大腿皮神経とともに大腿神経がくぐり抜ける。血管裂孔との境界は腸恥筋膜弓で仕切られ、血管裂孔には大腿動静脈(およびリンパ管)が通る。つまり鼠径靭帯の下で「外側=筋裂孔(腸腰筋+大腿神経+外側大腿皮神経)」「内側=血管裂孔(大腿動静脈)」と外→内へ並ぶ。大腿神経はL2〜4由来の腰神経叢最大の枝で、筋裂孔を通過後は大腿三角に至り、大腿四頭筋・縫工筋への筋枝と、前皮枝・伏在神経を分枝する。
✗ 4. 誤り
大腿動脈
大腿動脈は外腸骨動脈の続きで、鼠径靭帯中央下の「血管裂孔」をくぐって大腿三角に出る。筋裂孔ではなく血管裂孔を通過する点で本肢は誤り。大腿静脈・リンパ管も血管裂孔を通る。
ポイント
  • 筋裂孔=腸腰筋の通路で大腿神経+外側大腿皮神経が通る。血管裂孔=大腿動静脈+リンパ管が通る。両者は腸恥筋膜弓で仕切られる。
  • 覚え方のコツ: 「外→内へ:筋裂孔(神経)>腸恥筋膜弓>血管裂孔(動→静→リンパ)」の順で並ぶ。
  • 関連知識: 鼠径靭帯下のこれらの裂孔は、いずれも大腿三角の上縁となる。大腿三角自体は鼠径靭帯・縫工筋・長内転筋に囲まれ、床は腸腰筋と恥骨筋で構成。
  • よくある間違い: 大腿動脈を筋裂孔通過と誤認/血管裂孔に神経も通ると誤解。
  • 臨床応用: 大腿ヘルニアは血管裂孔の内側(大腿輪)から脱出し、鼠径ヘルニアより嵌頓率が高い。大腿神経ブロックは鼠径靭帯下外側でのアプローチが可能。
比較表
裂孔 通過する構造
筋裂孔(外側) 腸腰筋/大腿神経/外側大腿皮神経
血管裂孔(内側) 大腿動脈/大腿静脈/リンパ管/大腿輪
解説画像
鍼灸 第9回(2001) 問題15|筋裂孔を通るのはどれか。 解説図
鍼灸 第9回(2001) 問題15|筋裂孔を通るのはどれか。
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