
この図の解説
背中を斜め後ろから見た図で、浅背筋がつくる2つの「筋のすきま(三角)」に注目してほしい。上方、肩甲骨の内下方あたりに小さな三角が青く縁取られている。これが聴診三角で、上外側の僧帽筋外側縁、下方の広背筋上縁、そして深層から顔を出す大菱形筋下縁の3辺で囲まれる。ここは浅背筋がとぎれて筋層が薄いため胸郭に直接近く、呼吸音が明瞭に聞こえる。下方、腸骨稜のすぐ上に描かれたもう1つの三角が腰三角(プティ三角)で、広背筋の外側縁、外腹斜筋の後縁、下辺の腸骨稜が3辺をなす。図の下段が示すとおり、ここは後腹壁で筋の抵抗が弱く、腰ヘルニアの好発部位となる。2つの三角に共通して広背筋が辺を担う点が、まとめて覚える手がかりになる。
学習の要点
- 聴診三角の3辺=僧帽筋外側縁・広背筋上縁・大菱形筋下縁。腰三角の3辺=広背筋外側縁・外腹斜筋後縁・腸骨稜。
- 覚え方のコツ:「ソウ・コウ・ダイ(僧帽・広背・大菱形)で聴診、コウ・ガイ・チョウ(広背・外腹斜・腸骨稜)で腰」。広背筋は両方に登場する共通の辺。
- 関連知識: 聴診三角は筋層が薄く胸郭に直接到達でき呼吸音がよく聞こえる。左側は深部に胃の噴門があり、水を嚥下させて食道狭窄の聴診に用いる。
- よくある間違い: 腰三角の内側辺を「脊柱起立筋」としないこと。正しくは外腹斜筋後縁。三角の辺に大菱形筋が入るのは聴診三角のみ。
- 臨床応用: 腰三角は後腹壁の抵抗の弱い部位で腰ヘルニア(プティヘルニア)が起こりうる。聴診三角は呼吸音聴取の窓となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
後腹壁において筋の抵抗が弱く、腰ヘルニアが発現しうる部位を( )三角という。
答えを見る
答え: 腰
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。