学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1034

理由で解く 解剖学

Q1034 運動器系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題19
問題
鼠径靭帯と関係ないのはどれか。
選択肢
1 上前腸骨棘
2 坐骨結節
3 血管裂孔
4 筋裂孔
解答
正解2(坐骨結節)
解説
✗ 1.
上前腸骨棘
✗ 正しい。 鼠径靭帯は上前腸骨棘と恥骨結節の間に張る強靭な線維性帯で、腹部と大腿の境界をなす。外側端が上前腸骨棘に付着するため、鼠径靭帯と直接的な解剖学的関係を持つ。
✓ 2. 誤り
坐骨結節
坐骨結節は寛骨下部の坐骨にある大きな隆起で、大腿後面の筋(ハムストリング)や仙結節靭帯の付着部であり、座位で体重を支える。鼠径靭帯は上前腸骨棘と恥骨結節の間に張るため、両者の付着部である坐骨結節とは解剖学的に関係がない。坐骨結節は骨盤の後下方に位置し、鼠径部(前方)からは離れている点からも区別できる。
✗ 3.
血管裂孔
✗ 正しい。 血管裂孔は鼠径靭帯の下を通る裂け目の内側部分で、外腸骨動静脈が通って大腿動静脈に移行する。鼠径靭帯が上縁を形成するため密接に関係する。
✗ 4.
筋裂孔
✗ 正しい。 筋裂孔は鼠径靭帯の下を通る裂け目の外側部分で、腸腰筋と大腿神経が通って大腿前面に出る。鼠径靭帯が上縁をなし、腸恥弓によって血管裂孔と区画される。
ポイント
  • 鼠径靭帯は上前腸骨棘と恥骨結節を結び、その下縁には筋裂孔(外側)と血管裂孔(内側)ができる。
  • 覚え方のコツ: 筋裂孔(外)=「キン」ちょうの大腿神経+腸腰筋、血管裂孔(内)=「ケッ」管(血管)。外側から「筋・血管」の順。
  • 関連知識: 筋裂孔:腸腰筋+大腿神経+外側大腿皮神経/血管裂孔:大腿動静脈+大腿管(リンパ管)。腸恥弓が両者を仕切る。
  • よくある間違い: 坐骨結節は坐骨の後下方にあり鼠径部とは全く別領域。鼠径靭帯の内側端は恥骨結節(恥骨結節 ≠ 坐骨結節)である点も頻出誤答。
  • 臨床応用: 血管裂孔の内側(大腿輪)は大腿ヘルニアの好発部位。大腿三角(スカルパ三角)の上辺は鼠径靭帯が形成する。
比較表
構造 位置 通るもの
筋裂孔 鼠径靭帯下・外側 腸腰筋、大腿神経、外側大腿皮神経
血管裂孔 鼠径靭帯下・内側 大腿動静脈、大腿管(リンパ)
鼠径靭帯の外側付着 上前腸骨棘
鼠径靭帯の内側付着 恥骨結節
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題19|鼠径靭帯と関係ないのはどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題19|鼠径靭帯と関係ないのはどれか。
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