
この図の解説
図は骨盤を側方から見て、内腸骨動脈とその枝を展開したものである。中央で赤い内腸骨動脈が枝分かれし、右下に「内陰部動脈」、その下に「陰部神経」が並んで走る点に注目したい。内陰部動脈は内腸骨動脈の枝として起こり、陰部神経とともに梨状筋下孔(大坐骨孔)を通っていったん骨盤の外に出る。しかしすぐに仙棘靭帯を回り込み、小坐骨孔から再び骨盤底へと入り、直腸下部(肛門)と外部生殖器(尿生殖の外口)を栄養する。図左下の系統表では内陰部動脈が内腸骨動脈の枝として整理され、上殿動脈・下殿動脈など他の枝との位置関係も一望できる。骨盤外へ出てすぐ戻るという「Uターン走行」が最大の特徴である。
学習の要点
- 内陰部動脈は内腸骨動脈の枝で、陰部神経とともに走行する。両者は骨盤底で肛門・外部生殖器へ向かうワンセットの脈管・神経束として押さえる。
- 覚え方のコツ: 「梨状筋下孔で出て、小坐骨孔で戻る」。大坐骨孔(梨状筋下孔)→仙棘靭帯を回る→小坐骨孔、という往復ルートを指でなぞって記憶する。
- 関連知識: 直腸の動脈は3系統に分かれ、上直腸動脈は下腸間膜動脈、中直腸動脈は内腸骨動脈(臓側枝)、下直腸動脈は内陰部動脈の枝である。
- よくある間違い: 上殿動脈は梨状筋「上」孔、下殿動脈は梨状筋「下」孔を出る。内陰部動脈は下殿動脈と同じ梨状筋下孔を通るが、その後さらに小坐骨孔へ回り込む点が異なる。
- 臨床応用: 内陰部動脈から分かれる下直腸動脈は肛門周囲を養い、この領域の静脈叢のうっ血は痔核の形成に関与する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
下直腸動脈は( )動脈の枝である。空欄に入る動脈名を答えよ。
答えを見る
答え: 内陰部
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。