学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0303

理由で解く 解剖学

Q0303 消化器系

出典:あマ指 第20回(2012) 問題25
問題
消化管で弁があるのはどこか。
選択肢
1 噴門
2 幽門
3 十二指腸空腸曲
4 回盲口
解答
正解4(回盲口)
解説
✗ 1. 誤り
噴門
噴門は食道と胃の移行部で、組織学的な弁構造(粘膜ヒダの盛り上がり)は明瞭でない。食道下部に存在する輪走筋の高圧帯が機能的括約帯として働くが、解剖学的な「弁」と呼べる構造はない。
✗ 2. 誤り
幽門
幽門は胃と十二指腸の移行部で、輪走筋が肥厚して幽門括約筋を形成し胃内容物の排出を調節する。しかし粘膜ヒダによる「弁」は発達せず、括約筋機構が主体である。解剖学的な弁とは区別される。
✗ 3. 誤り
十二指腸空腸曲
十二指腸空腸曲は第2腰椎の左側で十二指腸が空腸に移行する屈曲部で、トライツ靭帯により後腹壁に固定される。この部位には弁構造はなく、解剖学的ランドマークとしての屈曲部に過ぎない。
✓ 4. 正しい
回盲口
回盲口には回盲弁(バウヒン弁)と呼ばれる上下2枚の粘膜ヒダからなる弁構造があり、回腸内容物の盲腸への一方向性通過を保証する。この弁は大腸内容物(細菌を多く含む)の回腸への逆流を防ぐ重要な役割を持ち、消化管で明確な「弁」と呼べる代表例である。噴門・幽門・十二指腸空腸曲には解剖学的な弁構造はなく、回盲口のみが正解となる。大腸の弁として半月ヒダも内腔にあるが、問われているのは「弁構造を持つ部位」であり、回盲口がこれに該当する。
ポイント
  • 回盲口には回盲弁(バウヒン弁)があり、回腸内容物の一方向通過と大腸内容物の逆流防止を担う。
  • 覚え方のコツ: 消化管の移行部は「弁(回盲弁のみ)/括約筋(噴門・幽門・肛門ほか)/単なる屈曲部(十二指腸空腸曲)」の3パターンで整理。
  • 関連知識: 肛門には内肛門括約筋(平滑筋)と外肛門括約筋(横紋筋)があり、オッディ括約筋は大十二指腸乳頭で胆汁・膵液の流れを調節する。
  • よくある間違い: 幽門括約筋を「幽門弁」と誤称/噴門を解剖学的な弁と誤認/十二指腸空腸曲に弁があると誤解。
  • 臨床応用: 回盲弁機能不全では大腸内細菌が回腸に逆流し、小腸内細菌異常増殖症候群(SIBO)を来す。虫垂炎は回盲部のMcBurney点周囲に圧痛を呈する。
比較表
消化管の移行部 構造 機能
噴門(食道胃接合部) 機能的括約帯(明確な弁・括約筋なし) 胃酸逆流防止(機能不全で逆流性食道炎)
幽門(胃十二指腸接合部) 幽門括約筋(輪走筋肥厚) 胃排出調節・逆流防止
十二指腸空腸曲 トライツ靭帯で固定された屈曲部 解剖学的境界、弁なし
回盲口 回盲弁(バウヒン弁、上下2枚の粘膜ヒダ) 一方向通過と逆流防止
肛門 内・外肛門括約筋 排便の随意・不随意制御
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題25|消化管で弁があるのはどこか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題25|消化管で弁があるのはどこか。
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