学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1036

理由で解く 解剖学

Q1036 運動器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題36
問題
大腿三角の上辺を成すのはどれか。
選択肢
1 鼡径靱帯
2 長内転筋
3 腸骨筋
4 縫工筋
解答
正解1(鼡径靱帯)
解説
✓ 1. 正しい
鼡径靱帯
大腿三角(スカルパ三角)は大腿前面上部の逆三角形の窪みで、上辺(底辺)=鼠径靱帯、外側縁=縫工筋、内側縁=長内転筋で囲まれる。三角の底面は腸腰筋と恥骨筋で形成される。三角内には大腿動脈・大腿静脈・大腿神経が外側から順に(NAVY:Nerve-Artery-Vein-Y-fronts/淋巴管)配列され、大腿動脈の拍動を触知できる部位として臨床的に重要。上前腸骨棘と恥骨結節を結ぶ鼠径靱帯の下縁を目印に、大腿動脈カニュレーション(カテーテル検査)、大腿静脈穿刺、大腿ヘルニアの診断が行われる。大腿三角は腹腔と下肢を結ぶ主要な通路で、リンパ節(浅・深鼠径リンパ節)も集まる。
✗ 2. 誤り
長内転筋
長内転筋は大腿三角の内側縁を構成する。恥骨体前面から大腿骨粗線内側唇に走る内転筋で、三角の上辺ではない。
✗ 3. 誤り
腸骨筋
腸骨筋は大腿三角の底面(底筋)の一部を構成する(恥骨筋とともに)。三角の辺を形成するのではなく深部の床となる。
✗ 4. 誤り
縫工筋
縫工筋は大腿三角の外側縁を構成する。上前腸骨棘から脛骨粗面内側へ斜走し、三角の外側を区切る。
ポイント
  • 大腿三角は鼠径靱帯(上辺)・縫工筋(外側縁)・長内転筋(内側縁)で囲まれ、大腿動静脈・大腿神経が通る。
  • 覚え方のコツ: 「上・鼠径、外・縫工、内・長内」と辺ごとに対応。三角内の配列は外→内でNAV(神経・動脈・静脈)+リンパ。
  • 関連知識: 大腿ヘルニアは大腿輪(大腿管)を通って鼠径靱帯の下に脱出。女性に多く嵌頓しやすい。
  • よくある間違い: 縫工筋を上辺と誤認(正解は外側縁)/腸骨筋を三角の辺と混同(底面)。
  • 臨床応用: 大腿三角は大腿動脈の拍動触知、大腿静脈カテーテル挿入(中心静脈アクセス)、大腿ヘルニアの視診触診部位。リンパ節腫大の評価にも重要。
比較表
境界 構成
上辺(底辺) 鼠径靱帯
外側縁 縫工筋
内側縁 長内転筋
底面 腸腰筋、恥骨筋
内容(外→内) 大腿神経、大腿動脈、大腿静脈、リンパ節
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題36|大腿三角の上辺を成すのはどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題36|大腿三角の上辺を成すのはどれか。
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