
この図の解説
皮静脈は深部の動脈に伴行せず、皮下を単独で走る静脈である。図の3枚を見比べると、いずれの静脈も手指先から手背静脈叢という網目に始まり、前腕・上腕を上行して肩の付近で深部へ潜り込むことがわかる。外側(親指側=橈側)を上行するのが橈側皮静脈で、手背静脈叢の橈側から起こり、前腕橈側から上腕二頭筋の外側縁を通り、三角筋前縁と大胸筋外側縁の間にできる三角筋胸筋溝を通って深部の腋窩静脈に注ぐ。内側(小指側=尺側)を上行するのが尺側皮静脈で、手背静脈叢の尺側から起こり、前腕尺側から上腕二頭筋の内側縁を通り、腋窩の下縁付近で深部の上腕静脈(または腋窩静脈)に合流する。肘の前面では両者を斜めに結ぶ肘正中皮静脈が見られ、採血や静脈注射の目標となる。図で「どちらが外側を走るか」を橈骨・尺骨の位置と重ねて確認したい。
学習の要点
- 橈側皮静脈は橈側(外側)を上行し三角筋胸筋溝を経て腋窩静脈に注ぐ、尺側皮静脈は尺側(内側)を上行し腋窩下縁付近で上腕静脈に注ぐ。
- 覚え方のコツ: 「橈側は橈側・尺側は尺側」=名前の側をそのまま上行。橈側皮静脈だけが三角筋胸筋溝という体表の溝を通ることが鑑別点。
- 関連知識: 皮静脈は動脈に伴行せず、手足では手背静脈叢(手背静脈網)のような静脈網をつくる。浅リンパ管はこの皮静脈に伴行して走る。
- よくある間違い: 橈側皮静脈と尺側皮静脈の注ぐ先を取り違えやすい。両者を橋渡しする肘正中皮静脈を、橈側・尺側皮静脈そのものと混同しない。
- 臨床応用: 肘正中皮静脈は皮下で太く固定され逆流も少ないため、採血・点滴・静脈内注射の第一選択部位となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
橈側皮静脈は上腕の上部で、三角筋前縁と大胸筋外側縁の間にできる( )を通って深部の腋窩静脈に注ぐ。
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答え: 三角筋胸筋溝
皮下を走る浅リンパ管は、動脈ではなく( )に伴行して走ることが多い。
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答え: 皮静脈
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。