学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ N. 下肢の運動 / Q1025

理由で解く 解剖学

Q1025 運動器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題21
問題
股関節の屈曲に関与する筋はどれか。
選択肢
1 梨状筋
2 小殿筋
3 腸腰筋
4 大殿筋
解答
正解3(腸腰筋)
解説
✗ 1. 誤り
梨状筋
梨状筋は仙骨前面から大転子に至り、股関節を外旋させる。外旋6筋(梨状筋・内閉鎖筋・上下双子筋・外閉鎖筋・大腿方形筋)の代表格で、屈曲作用はない。
✗ 2. 誤り
小殿筋
小殿筋は腸骨外面から大転子に停止し、股関節の外転内旋を行う。屈曲には関与しない。
✓ 3. 正しい
腸腰筋
腸腰筋は大腰筋(腰椎椎体・椎間円板・肋骨突起)と腸骨筋(腸骨窩)が鼠径靱帯の後ろの筋裂孔で合流し、共通腱となって大腿骨小転子に停止する。股関節の最も強力な屈曲筋(大腿の前方挙上)で、歩行時の遊脚期に下肢を前に振り出す主役となる。下肢を固定した状態では体幹を前方に屈曲し、腹筋群とともに起き上がり動作に働く。また大腰筋は脊柱下部を引いて直立位を保たせる姿勢維持の役割も持つ。支配神経は腸骨筋=大腿神経、大腰筋=腰神経叢の直接枝で、腸腰筋は内寛骨筋の代表。他の股関節屈曲筋には大腿直筋・縫工筋・大腿筋膜張筋が協力する。
✗ 4. 誤り
大殿筋
大殿筋は股関節の伸展主動筋であり、屈曲作用はない。むしろ腸腰筋と拮抗する筋で、歩行時に腸腰筋と交互に働いて下肢を前後に動かす。
ポイント
  • 腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)は股関節屈曲の主動筋で、大腿骨小転子に停止する。
  • 覚え方のコツ: 「屈曲=腸腰筋+大腿直筋+縫工筋+大腿筋膜張筋」/「伸展=大殿筋+ハムストリングス」と拮抗セットで暗記。
  • 関連知識: 腸腰筋は鼠径靱帯後方の筋裂孔を通過。腸骨筋は大腿神経、大腰筋は腰神経叢支配と神経支配が異なる。
  • よくある間違い: 小殿筋を屈曲筋と誤認(実際は外転・内旋)/梨状筋を屈曲筋と混同(実際は外旋)。
  • 臨床応用: 腸腰筋膿瘍は腰背部痛と股関節屈曲拘縮を呈す(Psoas sign陽性:右下腹部痛+股関節伸展で疼痛→虫垂炎の鑑別)。腸腰筋麻痺では階段昇りが困難となる。
比較表
作用 関与する筋
屈曲 腸腰筋(主)、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、恥骨筋
伸展 大殿筋(主)、ハムストリングス
外転 中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋
内転 内転筋群、薄筋、恥骨筋
外旋 外旋6筋(梨状筋ほか)、縫工筋
内旋 中殿筋前部、小殿筋、大腿筋膜張筋
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題21|股関節の屈曲に関与する筋はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題21|股関節の屈曲に関与する筋はどれか。
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