学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q1010

理由で解く 解剖学

Q1010 運動器系

出典:あマ指 第19回(2011) 問題22
問題
下肢の靱帯について大殿筋の起始となるのはどれか。
選択肢
1 仙結節靱帯
2 仙棘靭帯
3 鼡径靭帯
4 膝蓋靭帯
解答
正解1(仙結節靱帯)
解説
✓ 1. 正しい
仙結節靱帯
大殿筋の起始は腸骨外面(後殿筋線より後方)、仙骨と尾骨の後面、および仙結節靱帯である。仙結節靱帯は仙骨外側縁から坐骨結節に張る強靱な靱帯で、大殿筋下部線維の起始として機能する。停止は大腿骨の殿筋粗面と腸脛靱帯であり、股関節の伸展主動筋として立ち上がり・階段昇段・走行に働く。
✗ 2. 誤り
仙棘靭帯
仙棘靱帯は仙骨・尾骨の外側縁から坐骨棘に張る靱帯で、仙結節靱帯とともに大坐骨孔・小坐骨孔を形成する。大殿筋の起始とはならない。
✗ 3. 誤り
鼡径靭帯
鼠径靱帯は上前腸骨棘と恥骨結節の間に張る靱帯で、外腹斜筋腱膜の下縁が肥厚したものである。筋裂孔(腸腰筋の通路)と血管裂孔(大腿動静脈の通路)を仕切るが、大殿筋の起始にはならない。
✗ 4. 誤り
膝蓋靭帯
膝蓋靱帯は膝蓋骨から脛骨粗面に至る大腿四頭筋腱の延長部分で、膝関節前面を補強する。大殿筋とは無関係で下腿側の構造である。
ポイント
  • 大殿筋の起始は腸骨外面(後殿筋線より後方)・仙骨後面・尾骨・仙結節靱帯、停止は殿筋粗面と腸脛靱帯。
  • 覚え方のコツ: 大殿筋は殿部後方の広い面と靱帯から起こると捉える。「後ろ側=仙骨・尾骨・仙結節靱帯」。
  • 関連知識: 仙結節靱帯と仙棘靱帯は寛骨と仙骨を連結し、大坐骨孔・小坐骨孔を画定する。支配神経は下殿神経(L5〜S2)。
  • よくある間違い: 仙結節靱帯と仙棘靱帯を取り違える/仙結節靱帯を「仙骨の結節にある靱帯」と誤解する(正しくは仙骨〜坐骨結節間)。
  • 臨床応用: 大殿筋の筋力低下では階段昇段や立ち上がりが困難となり、後方への体幹代償(大殿筋歩行)が現れる。
比較表
靱帯 付着部 関連構造
仙結節靱帯 仙骨外側縁〜坐骨結節 大殿筋起始、大・小坐骨孔の形成
仙棘靱帯 仙骨外側縁〜坐骨棘 大坐骨孔と小坐骨孔の境界
鼠径靱帯 上前腸骨棘〜恥骨結節 筋裂孔・血管裂孔の上縁
膝蓋靱帯 膝蓋骨〜脛骨粗面 大腿四頭筋腱の続き
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題22|下肢の靱帯について大殿筋の起始となるのはどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題22|下肢の靱帯について大殿筋の起始となるのはどれか。
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