学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q1011

理由で解く 解剖学

Q1011 運動器系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題20
問題
下肢の筋について正しい記述はどれか。
選択肢
1 梨状筋の腱は小坐骨切痕を通る。
2 半腱様筋の腱は膝窩の内側を通る。
3 短腓骨筋の腱は内果の後ろを通る。
4 下腿三頭筋の腱は足根管を通る。
解答
正解2(半腱様筋の腱は膝窩の内側を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
梨状筋の腱は小坐骨切痕を通る。
梨状筋は仙骨前面から起こり大坐骨孔を通って大転子に停止する。小坐骨孔(小坐骨切痕部)を通るのは内閉鎖筋の腱および陰部神経・内陰部動静脈である。
✓ 2. 正しい
半腱様筋の腱は膝窩の内側を通る。
半腱様筋は坐骨結節から起こり、大腿後面内側を下行して膝窩の内側上縁を形成し、鵞足として脛骨粗面の内側に停止する。膝窩は大腿二頭筋(上外側縁)、半腱様筋・半膜様筋(上内側縁)、腓腹筋の内外側頭(下縁)によって囲まれる菱形のくぼみである。半腱様筋の細い停止腱は膝の内側で容易に触れ、鵞足炎の指標となる。
✗ 3. 誤り
短腓骨筋の腱は内果の後ろを通る。
短腓骨筋の腱は外果の後ろを通り、腓骨筋支帯に押さえられて第5中足骨粗面に停止する。内果の後方を通るのは後脛骨筋・長指屈筋・長母趾屈筋の屈筋腱である。
✗ 4. 誤り
下腿三頭筋の腱は足根管を通る。
下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の腱は合して踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起に停止する。足根管(内果と踵骨内側をつなぐ屈筋支帯の下)を通るのは後脛骨筋腱・長指屈筋腱・長母趾屈筋腱と脛骨神経・後脛骨動静脈である。
ポイント
  • 膝窩は大腿二頭筋(上外側)と半腱・半膜様筋(上内側)、腓腹筋内外側頭(下縁)からなる菱形のくぼみ。
  • 覚え方のコツ: 膝窩の四辺を「外上=二頭、内上=半腱半膜、下=腓腹」と位置で整理。内果後方の屈筋腱は「トム・ディック・ハリー」(後脛・長指・長母趾の頭文字Tom・Dick・Harryの英語伝承順)。
  • 関連知識: 膝窩の深部には脛骨神経・総腓骨神経・膝窩動静脈が縦走する。足根管はチネル徴候陽性部位として重要。
  • よくある間違い: 外果後方(長・短腓骨筋)と内果後方(屈筋群)の通過筋を取り違える/梨状筋を小坐骨孔通過と誤認する。
  • 臨床応用: 足根管症候群では後脛骨神経が圧迫され、足底のしびれと疼痛が生じる。ベイカー嚢腫は膝窩の滑液包腫で、膝窩の半膜様筋・腓腹筋内側頭間に生じる。
比較表
通路 通過する主な構造
大坐骨孔(梨状筋上孔・下孔) 上殿神経・動静脈、下殿神経・動静脈、坐骨神経、陰部神経、後大腿皮神経
小坐骨孔 内閉鎖筋腱、陰部神経、内陰部動静脈
外果後方(腓骨筋支帯下) 長腓骨筋、短腓骨筋の腱
内果後方(足根管・屈筋支帯下) 後脛骨筋、長指屈筋、長母趾屈筋、脛骨神経、後脛骨動静脈
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題20|下肢の筋について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題20|下肢の筋について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手