学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0987

理由で解く 解剖学

Q0987 運動器系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題20
問題
足の屈筋支帯を通過しない腱はどれか。
選択肢
1 長指屈筋腱
2 前脛骨筋腱
3 後脛骨筋腱
4 長母指屈筋腱
解答
正解2(前脛骨筋腱)
解説
✗ 1. 誤り
長指屈筋腱
長指屈筋腱は内果と踵骨の間の屈筋支帯の下(足根管)を、後脛骨筋腱と長母指屈筋腱とともに通過して足底に至る。
✓ 2. 正しい
前脛骨筋腱
足の屈筋支帯(足根管を構成)は内果と踵骨の内側面の間に張る靭帯性バンドで、下腿後面の深層屈筋群の腱(後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋)と後脛骨動静脈・脛骨神経を通す。前脛骨筋は下腿前面の伸筋群に属し、その腱は足関節前面を横切り、上伸筋支帯と下伸筋支帯の下を通って内側楔状骨と第1中足骨底に停止する。つまり前脛骨筋腱は伸筋支帯を通過し、屈筋支帯とはまったく別の部位を走行する。屈筋/伸筋の区画と支帯の対応を理解していれば確実に除外できる選択肢である。
✗ 3. 誤り
後脛骨筋腱
後脛骨筋腱は下腿後面深層屈筋群の代表で、屈筋支帯の下を通って足底に至り、舟状骨・楔状骨・中足骨底に停止する。足の内反主動筋。
✗ 4. 誤り
長母指屈筋腱
長母指屈筋腱も屈筋支帯の下を通過し、足底で長指屈筋腱と交差しながら母指末節骨底に達する。
ポイント
  • 足の屈筋支帯(足根管)は後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋の3腱と後脛骨動静脈・脛骨神経を通す。前脛骨筋は伸筋で伸筋支帯を通る。
  • 覚え方のコツ: 足根管の通過構造を内→外へ「Tom, Dick, And Very Nervous Harry」=Tibialis posterior, Flexor Digitorum longus, Artery(後脛骨動脈), Vein, Nerve(脛骨神経), Flexor Hallucis longus と暗記。
  • 関連知識: 屈筋支帯=内果と踵骨内側(内側に位置)/伸筋支帯=足関節前面(上下2段)/腓骨筋支帯=外果の後下方(長・短腓骨筋腱)。
  • よくある間違い: 前脛骨筋(伸筋)を屈筋支帯通過と誤認/後脛骨筋と前脛骨筋の名前から作用を逆に認識。
  • 臨床応用: 足根管症候群は屈筋支帯下での脛骨神経圧迫で、足底のしびれ・感覚低下・内在筋萎縮を起こす。前脛骨筋麻痺では下垂足。
比較表
支帯 通過する腱・神経血管
屈筋支帯(足根管) 後脛骨筋腱、長指屈筋腱、長母指屈筋腱、後脛骨動静脈、脛骨神経
伸筋支帯(上・下) 前脛骨筋腱、長母指伸筋腱、長指伸筋腱、第三腓骨筋腱、前脛骨動静脈、深腓骨神経
腓骨筋支帯(上・下) 長腓骨筋腱、短腓骨筋腱
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題20|足の屈筋支帯を通過しない腱はどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題20|足の屈筋支帯を通過しない腱はどれか。
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