学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0983

理由で解く 解剖学

Q0983 運動器系

出典:あマ指 第5回(1997) 問題32
問題
下殿神経に支配される筋はどれか。
選択肢
1 大殿筋
2 中殿筋
3 小殿筋
4 大腿筋膜張筋
解答
正解1(大殿筋)
解説
✓ 1. 正しい
大殿筋
大殿筋は下殿神経(L5-S2)に支配される、殿部で唯一の下殿神経支配筋である。腸骨外面(後殿筋線より後ろ)・仙骨と尾骨の後面・仙結節靱帯から起こり、殿筋粗面と腸脛靱帯に停止する。股関節の強力な伸展筋として直立歩行・階段昇降・立ち上がり・走行時に中心的役割を果たし、腸脛靭帯を緊張させることで膝関節伸展位を安定化させる。下殿神経は梨状筋下孔を通って大殿筋の深層に入り、この単一筋のみを支配する。下殿神経麻痺では大殿筋筋力が低下し、水平歩行は代償可能だが階段昇りや坂道上行が困難となる(大殿筋歩行:体幹を後傾して重心を保つ)。
✗ 2. 誤り
中殿筋
中殿筋は上殿神経(梨状筋上孔)に支配される。腸骨外面から大転子に停止し、股関節を外転する。歩行時の骨盤水平保持に必須で、麻痺するとトレンデレンブルグ徴候陽性となる。
✗ 3. 誤り
小殿筋
小殿筋は中殿筋の深層にあり、上殿神経支配。腸骨外面から大転子に停止し、股関節を外転・内旋する。
✗ 4. 誤り
大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋は上前腸骨棘から腸脛靭帯に停止し、上殿神経支配。股関節の屈曲・外転・内旋を行い、膝関節の伸展を補助する。
ポイント
  • 下殿神経支配筋は大殿筋のみ。上殿神経は中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配する。
  • 覚え方のコツ: 「下殿=大殿筋(1筋)」「上殿=中小+筋膜張筋(3筋)」。上下は梨状筋を境に分かれる。
  • 関連知識: 下殿神経は梨状筋下孔を通過(坐骨神経・陰部神経・下殿動静脈と併走)。上殿神経は梨状筋上孔(上殿動静脈と併走)。
  • よくある間違い: 大殿筋を上殿神経支配と誤認/大腿筋膜張筋を下殿神経支配と混同。
  • 臨床応用: 殿部筋肉注射では下殿神経と坐骨神経損傷を避けるため、上外側1/4(Hochstetter部)が選択される。下殿神経麻痺は大殿筋歩行(Gluteus maximus gait)を示す。
比較表
殿筋 支配神経 主な作用
大殿筋 下殿神経 股関節伸展(階段昇降・立ち上がり)
中殿筋 上殿神経 股関節外転(歩行時骨盤保持)
小殿筋 上殿神経 股関節外転・内旋
大腿筋膜張筋 上殿神経 股関節屈曲・外転・内旋、膝伸展補助
梨状筋 仙骨神経叢 股関節外旋
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題32|下殿神経に支配される筋はどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題32|下殿神経に支配される筋はどれか。
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