学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ E. 胎児循環 / Q0169

理由で解く 解剖学

Q0169 循環器系

出典:あマ指 第5回(1997) 問題31
問題
胎児循環に直接関与しないのはどれか。
選択肢
1 胎盤
2 臍動脈
3 門脈
4 静脈管
解答
正解3(門脈)
解説
✗ 1.
胎盤
胎盤は胎児と母体のガス・栄養・老廃物交換を担う器官で、胎児循環の出発点であり到達点でもある。胎盤がなければ胎児循環そのものが成立せず、胎児循環に直接関与する最重要構造である。
✗ 2.
臍動脈
臍動脈は胎児の内腸骨動脈から分枝し、臍帯内を2本走って胎盤へ向かう。胎児からの老廃物を含む静脈血を胎盤に送る経路で、胎児循環に直接関与する特異的構造である。
✓ 3. 誤り
門脈
門脈は胃・腸管・脾臓などからの静脈血を肝臓に運ぶ成人でも存在する通常の消化管静脈系であり、胎児循環特有のバイパス構造ではない。胎児では臍静脈からの酸素豊富な血液の大部分が静脈管(アランチウス管)を通り肝臓をバイパスして直接下大静脈に流れ込むため、門脈は胎児循環の主役ではなく、ごく一部の血液が門脈側枝に分流する程度である。他の選択肢(胎盤・臍動脈・静脈管)はいずれも胎児特有の循環に直接関与する構造である。
✗ 4.
静脈管
静脈管(アランチウス管)は臍静脈から下大静脈への直接のバイパスで、胎盤からの酸素豊富な動脈血を肝臓をバイパスして下大静脈に流す胎児特有のシャントである。胎児循環に直接関与する構造である。
ポイント
  • 胎児循環の特異構造は胎盤・臍動静脈・静脈管・動脈管・卵円孔。門脈は成人でも存在する通常の血管系である。
  • 覚え方のコツ: 「胎児ならではの構造=胎盤・臍・静脈管・動脈管・卵円孔」と暗記。門脈は関与が薄いので除外。
  • 関連知識: 静脈管(アランチウス管)は肝バイパスで、臍静脈血の大半が下大静脈に直接注ぎ、肝実質を通らない。ごく一部は門脈を経て肝を灌流する。
  • よくある間違い: 門脈を胎児循環の主要構造と誤解する/静脈管と門脈を混同する。
  • 臨床応用: 静脈管は出生後閉鎖して静脈管索(Arantius索)となる。門脈圧亢進症では胎児期の側副路(肝円索など)が再開通する。
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題31|胎児循環に直接関与しないのはどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題31|胎児循環に直接関与しないのはどれか。
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