学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0982

理由で解く 解剖学

Q0982 運動器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題29
問題
筋と支配神経との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 大殿筋 ― 上殿神経
2 大腿四頭筋 ― 大腿神経
3 長内転筋 ― 閉鎖神経
4 大腿二頭筋 ― 坐骨神経
解答
正解1(大殿筋 ― 上殿神経)
解説
✓ 1. 誤り
大殿筋 ― 上殿神経
(設問は「誤っているのはどれか」のためこれが正解の不適組合せ。) 大殿筋の支配神経は下殿神経(L5-S2)であり、上殿神経ではない。上殿神経は中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配し、梨状筋上孔を通る。下殿神経は梨状筋下孔を通って大殿筋のみを単独で支配する。両者は同じ梨状筋を基準に上下で分かれる神経で、走行孔と支配筋をセットで覚えると混乱が減る。大殿筋麻痺(下殿神経麻痺)では股関節伸展不能となり、階段昇り・立ち上がり・走行が著しく障害される。
✗ 2.
大腿四頭筋 ― 大腿神経
✗ 正しい。(記述は正しい組合せ。) 大腿四頭筋(大腿直筋・外・中・内側広筋)は大腿前面伸筋群で大腿神経(L2-4)支配。膝蓋腱反射の神経回路もこの経路。
✗ 3.
長内転筋 ― 閉鎖神経
✗ 正しい。(記述は正しい組合せ。) 長内転筋は大腿内側の内転筋群に属し閉鎖神経支配。恥骨体から大腿骨粗線内側唇に至る。
✗ 4.
大腿二頭筋 ― 坐骨神経
✗ 正しい。(記述は正しい組合せ。) 大腿二頭筋長頭は坐骨神経の脛骨神経部、短頭は総腓骨神経部に支配される。いずれも坐骨神経の分枝。
ポイント
  • 大殿筋は下殿神経(梨状筋下孔)、中・小殿筋と大腿筋膜張筋は上殿神経(梨状筋上孔)支配と明確に区別する。
  • 覚え方のコツ: 「大殿筋だけ下殿神経」「上殿神経=中小殿筋+筋膜張筋」と組み合わせで暗記。上下は梨状筋を基準。
  • 関連知識: 梨状筋上孔には上殿動静脈・上殿神経、梨状筋下孔には下殿動静脈・下殿神経・坐骨神経・陰部神経・内閉鎖筋神経などが通る。
  • よくある間違い: 大殿筋を上殿神経支配と誤認/大腿二頭筋を閉鎖神経支配と誤認。
  • 臨床応用: 大殿筋注射は下殿神経損傷回避のため大転子と上後腸骨棘を結ぶ線の上1/3が推奨。中殿筋注射も上殿神経損傷を避ける部位選択が必要。
比較表
支配神経 通過孔
大殿筋 下殿神経 梨状筋下孔
中殿筋 上殿神経 梨状筋上孔
小殿筋 上殿神経 梨状筋上孔
大腿筋膜張筋 上殿神経 梨状筋上孔
梨状筋 仙骨神経叢(直接)
大腿四頭筋 大腿神経 筋裂孔
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題29|筋と支配神経との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題29|筋と支配神経との組合せで誤っているのはどれか。
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